学習障害(LD)とはどのようなものか。どのように接すればよいか

2017/10/31

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

発達障害のうち、比較的名が知られているものに「学習障害(LD)」があります。ただ、LDではどのような症状が出るのか、その特徴について認知している方はまだ少ないのが現状です。LD患者との接し方と合わせ、以降で解説していきます。

学習障害(LD)とは

学習障害(LD)は、一般学級の中でも5%程度の人に症状が認められる、比較的発症率の高い発達障害の一種です。LDの定義は、「全般的な知的障害は認められないものの、読み書きや聞くこと、話すこと、計算する、推論するなどの中で、特定のものにおいて習得と使用が著しく難しい状態」を指します。

この学習障害(LD)は、何かしらの機能障害であることは考えられるにしても、例えば視覚障害や聴覚障害、知的障害、環境の変化などによって引き起こされるものではないことは明らかとなっています。もちろん、親の教育、しつけが原因でLDを引き起こすようなこともありません。あくまでも脳内における何かしらの機能障害が、読み書きや計算などの部分に影響を与えているということになります。

学習障害の症状

学習障害(LD)の症状として、代表的なのは文字の読み書きと計算の困難です。

文字が読めない症状は「読字障害」とも呼ばれており、LDの中では最も多い症状の1つとされています。平仮名であれば似たような形をしたものが読めない、小文字が認識できない、文章を読んでいるとどこを読んでいるか分からなくなる、目からの情報より耳からの情報の方がスムーズといった具合です。見た文字を音にするのが苦手なのも症状の1つです。

文字を書くことの障害は「書字表出障害」とも言われています。具体的には、誤字脱字が多い、黒板の文字を書き写せない、漢字が覚えられないといった症状が中心で、脳内での伝達がうまくいかないことが原因で引き起こされると考えられています。

計算に関する障害は「算数障害」と呼ばれています。簡単な数字、記号が理解できない、筆算の繰り上げ、繰り下げがわからないといった症状があり、規則性や視覚認知の弱さが原因とされています。

学習障害を抱える人との接し方

学習障害(LD)の人に接するときは、まずどの分野で困っているかを知るところから始めることが大切です。LDの人は特定の分野だけは困っていますが、後は普通の人と同じ、もしくはそれ以外では群を抜いて優秀であることもあるため、1つの分野で困っているから他も同じような対処をすると単に自尊心を傷つけることになってしまいます。文字でコミュニケーションをとるのが難しければ、絵などで表現をしていくといった接し方の工夫も必要です。

話すのが苦手なLD患者の場合は、まずはその人の話を聞いてあげることが大事です。そして話を遮らず、フォローを入れていくようにしていけば、傷つくことなく話してもらうことができます。計算が苦手な場合には、ゆっくりと解かせ、1つずつ段階を踏ませてやっていくと理解できるようになります。

おわりに:学習障害(LD)の患者には、周囲のサポートが不可欠

文字を解読することに非常に苦労したり、簡単な計算ができなかったり、といった症状をみせる学習障害(LD)。保護者や教員の方は戸惑うケースも少なくありませんが、苦手な分野でもアプローチの方法を変えればスムーズに理解できる場合も多々あります。LDを乗り越えるには、周囲の方の協力が欠かせません。自尊心を傷つけないよう配慮しつつ、工夫して接してあげてください。

 

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