記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/10/31 記事改定日: 2019/2/22
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
さっきトイレに行ったばかりなのにすぐに尿意を感じたり、排尿のために夜中に何度も起きてしまったりする「頻尿」。
今回の記事ではそんな頻尿でお悩みの方に向けて、頻尿の原因と対処法について解説していきます。
頻尿とは、頻繁に尿意を感じ、1日に何回もトイレに行ってしまうようになる状態のことです。
排尿回数には多少の個人差がありますが、医学的には起きている間に1日に8回以上トイレに行く場合や、夜布団に入ってから朝起きるまでの間に2回以上トイレに行く場合を頻尿と呼びます。
また、日中だけ排尿回数が多い場合もあれば、夜間だけ排尿回数が多い場合、日中も夜間も排尿回数が多い場合とがあり、その原因もそれぞれ異なってきます。
頻尿になる原因はさまざまですが、まず挙げられるのは水分の摂りすぎです。人間の体は飲み物を飲んだら、大量の汗をかかない限り飲んだ分の尿を排出します。つまり水分の摂取量が多いと、尿の量も増えるので、その分排尿回数が増えます。
また、緊張が原因の場合もあります。緊張を抱えていると、膀胱に尿が少ししか溜まっていなくてもトイレに行きたくなることがあります。ほかにも「トイレに行っておかないと心配」という不安感から頻尿になっているというケースもあります。
そして男性の場合、加齢に伴う前立腺が肥大により、肥大した前立腺が膀胱を圧迫して頻尿になっているケースもよく見られます。
頻尿には何らかの病気が隠れていることもあります。特に日中はそれほどでもないのに、夜間の排尿回数が多い場合は、心臓や腎臓の病気や、ホルモンの病気が隠れている場合もあります。
自己判断しないでまずは専門医を受診しましょう。頻尿だけでなくむくみもみられる場合は、特に病気の可能性が高くなります。放置しないで必ず受診してください。
また、糖尿病が原因で頻尿になることもあります。これは血糖値が高い状態が続くと体内の糖を水分と一緒に尿として排泄しようとするからです。
すでに糖尿病と診断を受けている人で最近頻尿がひどくなったという人は早めに主治医に相談し、血糖値が高めと言われた人で頻尿の症状が出始めたという人も早めに病院で検査してもらいましょう。
頻尿は膀胱炎や尿道炎でも起こりますが、膀胱炎や尿道炎の場合は排尿時や排尿後に痛みがあったり、残尿感があったり、尿がにごったりすることが多いです。
いずれにしても、頻尿の症状が出てきたときは早めに病院を受診して病気が原因かどうかを調べてもらいましょう。
妊娠すると女性ホルモンの分泌量が急激に増えます。女性ホルモンの中でも「黄体ホルモン」と呼ばれるものは、子宮やその周辺の筋肉の緊張をゆるめる働きがあります。このため、同時に膀胱の筋肉もゆるみやすくなり、頻尿を引き起こすことがあります。
妊娠超初期には妊娠による身体の変化はまだまだ少ないですが、このようにホルモンバランスの変化による症状が現れ始めることもあります。頻尿が気になって病院を受診したら妊娠していることがわかる場合もあるので、妊娠している可能性がある場合は検査薬を使ってみるのもよいでしょう。
病院を受診して、頻尿の原因が病気や妊娠でないとわかったら、まず、寝る前にビールやコーヒーなどの利尿作用のある飲み物を飲むのも控えてください。
肥満度が高くなるほど頻尿がおこりやすいとされているので、肥満であれば減量して標準体重に近づけましょう。
また、肛門をゆっくりとしめる「肛門体操」も効果があるとされています。5秒かけて肛門をしめる体操を、朝晩10回ずつ行うようにしてください。
水分の過剰摂取や緊張から頻尿になるケースも多々みられますが、中には膀胱炎や糖尿病などの病気の影響で頻尿になってしまう場合もあります。血糖値が高い、排尿時に痛みがある、といった頻尿以外の症状もみられたら、すぐに病院で検査を受けましょう。