記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/11/1
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
事故や激しいスポーツで起こりやすい外傷のひとつが骨折ですが、中でも折れやすいのが鼻の骨です。今回の記事では鼻骨骨折について、特徴的な症状や応急処置の方法などを解説していきます。
鼻は上半分が鼻骨、下半分が軟骨でできていますが、この鼻骨の部分が折れてしまうことを鼻骨骨折と言います。鼻骨はとても薄くもろい骨なので、肘が偶然あたってしまっただけで簡単に折れてしまうこともあり、その際には鼻血が激しく出ることが多いです。
鼻骨骨折が起こる原因として多いケースに、激しいスポーツによる顔面の強打が挙げられます。鼻を強く打ちつけてしまうことが多いため、顔面のケガと共に鼻骨骨折してしまうことが少なくありません。また、喧嘩やボクシングのような格闘技で顔面を殴り合いしたときにも鼻骨骨折が起こりやすいです。
さらに自動車で追突事故を起こしたときに、ハンドルやダッシュボードに強く鼻を打ちつけたり、バイクでトラックに追突したときなどに、トラックに顔面を強く打ちつけて折れることも多いです。顔面が骨折するケガのうち、約10%がこの鼻骨骨折になります。
鼻骨骨折が起こると、まず鼻またはその周りが痛みが起こります。そして鼻血が出てきます。鼻血が出るのと同時に内出血して青くなったり、酷い場合は目の下まで内出血が広がったりすることもあります。また、それに合わせて鼻やその周りが腫れてくることもあります。
また、何より骨折だとわかりやすいのは、鼻が曲がっていたり、歪んでいたりする状態です。鼻が曲がっていれば折れたと明らかにわかりますが、腫れが酷いとその腫れのせいで曲がっているように見えることもあります。さらに、鼻が詰まってしまったり、鼻を動かしたとき擦れるような音がしたりすることもあります。
鼻を強く打ち付けた後に上記のような 症状が現れたら、鼻骨骨折した可能性が高いので、そのまま何もしないで放置せず、すぐに病院で診察してもらうことが大切です。
鼻骨骨折が疑われる場合は、下記の応急処置を行いましょう。まず鼻血が出ている場合は、座って前屈みになります。そして、鼻ではなく口で呼吸をするようにします。このとき、血液が喉に流れ込まないように注意しましょう。
腫れが酷くなってきそうな場合は、冷湿布や氷を手ぬぐいに包んで患部に当て、10〜15分間程度冷やします。これを1日4回程度繰り返すと効果的です。さらに痛みが激しいときは、痛みを和らげるのに有効なアセトアミノフェンなどの痛み止めを服用します。
なお、鼻血が止まらなかったり、呼吸困難があったり、鼻が大きく変形したりしているような場合は病院で治療を行う必要があります。病院では鼻に添え木を当てたり、酷い場合は整形手術が必要な場合もあるので、骨折した場合はすぐに受診しましょう。
スポーツなどの怪我で鼻を強打し、激しい痛みや大量の鼻血が出た場合は、鼻骨が折れている可能性があります。ご紹介した応急処置を行いつつ、なるべく早く病院で診てもらいましょう。