ガマ腫(ラヌラ)ってどんな病気?どうやって治療するの?

2017/12/8 記事改定日: 2019/10/28
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

「ガマ腫(ラヌラ)」をご存知ですか?顎の下の皮膚や口の底に囊胞ができ、腫れてしまう病変です。
今回の記事ではこのガマ腫について、原因や症状、治療法など全般的な情報をお伝えしていきます。

ガマ腫(ラヌラ)とは

唾液は食べ物を飲み込みやすくするだけでなく、口内の汚れを洗い流し、免疫力により細菌を防ぐという重要な役割を担っています。

唾液を分泌している舌下腺の炎症で流出できなくなった唾液が溜まって囊胞化し、口の底の部分や顎の下が腫れてしまう病気がガマ腫(ラヌラ)です。
顎の下の皮膚が腫れ、ガマガエルがのどを膨らませた様に見えることから、この名前が付けられたといわれています。

ガマ腫は男性よりも女性の発症率が高いのですが、なぜ女性に多いのか理由はわかっていません。

原因

ガマ腫は、舌下腺の炎症で唾液が漏れて、嚢胞がどんどん大きくなっていくことで発症します。舌下腺になぜ炎症が起こるのかについてははっきりわかっていませんが、歯ブラシなどで舌下腺を刺激したことが原因で炎症が起こるのではないかと考えられています

ガマ腫の症状にはどんなものがある?

ガマ腫には、口の底にできる舌下型のものと、顎の下にできる顎下型のものがあります。
いずれも痛みはなく、柔らかく徐々に腫れていくため、症状が進行してかなり唾液が溜まっていくまで自覚できないことも多いです。

腫れは透き通った青みを帯びた色をしています。腫れがひどくなっていくと舌が押し上げられたような感覚を伴うときがあり、この状態までひどくなると食事の際に支障が出てくるようになります。

ガマ腫は治療できる?

ガマ腫の近くには重要な神経や血管が走行しているため、摘出するのは難しいです。
そのため、一般的にはつばが溜まらないように袋を開いてしまう「開窓」という手術を行います。

局所麻酔だけで行える手術ではありますが、術後に痛みを伴うことが多く、再発率が高いというデメリットがあります。

このような理由から、原因となる舌下腺を抽出する舌下腺摘出術が行われることもあります。ただし、舌下腺摘出術は全身麻酔の必要があり、あまり一般的ではありません。

ピシバニール®(OK-432)での治療

ピシバニール®とは、溶連菌の一種を抗生物質であるペニシリンで処理して乾燥したものを有効成分とする薬剤です。

抗がん剤の一つで、胃がんや甲状腺がん、小児のリンパ管腫などに使用されてきました。がん細胞の増殖を抑えたり、免疫を司るサイトカインという物質の産生を促すことでがんの増殖や再発を抑制する効果があると考えられています。

近年、このピシバニール®をガマ腫に直接注入すると腫瘍を縮小させる効果があることが分かり、年齢や全身状態から手術が難しいと考えられる人に対して行われるようになっています。
保険適応の薬剤として認められていますが、実施する際には手術療法と比べて患者にどのようなメリットがあるのか慎重に検討することが求められています。

おわりに:ガマ腫は徐々に大きくなってしまう。異変があるなら早めに病院へ

ガマ腫はセルフケアで治せる病変ではなく、唾液が溜まることでどんどん大きくなってしまいます。該当箇所に腫れがみられる場合は、専門の医療機関で早めに診察を受けましょう。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

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