良性腫瘍ってどんなもの? 悪性腫瘍との違いは何?

2017/11/10

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

腫瘍には良性腫瘍と悪性腫瘍があります。文字を見ただけでも悪性腫瘍が体を害することが想像できると思いますが、良性腫瘍と悪性腫瘍の違いをご存知でしょうか?この記事では良性腫瘍と悪性腫瘍の違いについてわかりやすく解説しています。

良性腫瘍ってどんなもの?

腫瘍とは、こぶやできもののようなもののことです。人間の皮膚の表面にはさまざまなこぶやニキビ、できものなどができますが、これが人間の体内にできたものは一般に腫瘍と総称されます。腫瘍は、正常な細胞であったものが、何らかの刺激を受けることにより異常に増殖し塊になったものです。

腫瘍=がんと考える人もいますが、それは間違いです。腫瘍は大きくは、良性腫瘍と悪性腫瘍に分けることができます。良性、悪性という名は、人間に及ぼす影響の程度によって定められます。良性腫瘍は、そのまま放置しておいても臓器の機能にそれほど悪影響を及ぼさないものです。一部例外はあるものの、多くの場合、良性腫瘍は放置しておいても問題ないことが多く、検査で見つからずにその存在を知らないまま一生を終える方も少なくありません。

一方、悪性腫瘍が、いわゆる「がん」のことです。悪性腫瘍をそのまま放置しておくと、どんどん増殖していき最終的には臓器の機能不全を引き起こします。

良性腫瘍と悪性腫瘍の違いは?

良性腫瘍と悪性腫瘍の違いは、腫瘍を構成する細胞の特性などにあります。良性腫瘍の場合は、腫瘍を構成する細胞は、正常細胞とは違った異常な細胞ではあるものの、その増殖スピードは一般に遅く、腫瘍が急激に大きく成長することはあまりありません。また、周囲の正常細胞に与える影響も小さく、正常細胞の機能を妨げることはあまりありません。また、周辺の細胞との境界が明確で、手術で除去しやすいのも特徴です。臓器の中に、ポツンと良性腫瘍が孤立して存在しているという状態をイメージいただくとわかりやすいかと思います。

一方、悪性腫瘍を構成するのは、いわゆるがん細胞です。がんの種類にもよりますが、がん細胞の増殖スピードは異常に速く、悪性度の高いがんの場合、一ヶ月で数倍の大きさに腫瘍が成長するケースも少なくありません。また、周辺の細胞にじわじわと浸潤していくタイプの悪性腫瘍も多く、この場合は周辺との境界が不明確になります。このケースでは悪性腫瘍のみを手術で除去することが難しく、臓器を全摘する必要があったり、手術そのものが不可能になる場合も多いです。

良性腫瘍だった場合はどうすればいい?

良性腫瘍か悪性腫瘍かの判別は、腫瘍の一部を採取し、病理診断にかけることにより行います。悪性腫瘍(がん)とわかった場合は、速やかに手術や抗がん剤治療などで腫瘍の除去やサイズ縮小を図る必要があります。

一方、上記で説明したように良性腫瘍の多くは放置しておいても問題ないことがほとんどです。特に、腫瘍が小さい場合には、それを手術で取り除く方がリスクが高いため手術はあまりすすめられません。
ただし、良性の場合でも比較的成長スピードが速い場合は、思わぬ大きさに成長して体の機能を阻害する可能性があります。また、腫瘍によっては当初は良性であっても、その後に悪性化するケースもあります。悪性化して大きくなってから発見されると手遅れになることもあります。
腫瘍が良性と診断されたから安心してそのまま放置するのではなく、その後も定期的に検査を受けて、腫瘍のサイズや形など、状態が大きく変化していないか主治医の先生にチェックしてもらうことが大切です。

おわりに:腫瘍が良性であっても、大きくなったり悪性化する可能性もある。必ず定期的に検査を受けよう

悪性腫瘍が治療の必要があることはもちろんですが、良性腫瘍も大型化して周囲の組織に悪影響を与える場合や悪性化する危険性があります。良性腫瘍とわかった場合でも、必ず定期的に検査を行い、主治医に腫瘍の状態をチェックしてもらいましょう。

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