記事監修医師
東京都内大学病院眼科勤務医
渡辺 先生
2025/7/16
記事監修医師
東京都内大学病院眼科勤務医
渡辺 先生
加齢黄斑変性(かれいせいおうはんへんせい)は視力低下などの症状を引き起こし、多くの人の失明の原因になっている病気で、加齢に伴いリスクが高くなります。この記事では、加齢黄斑変性の原因と症状の特徴、予防対策について解説していきます。
加齢黄斑変性(かれいせいおうはんへんせい)とは、加齢に伴い黄斑がダメージを受けて変形し、視力低下を引き起こす病気です。人間は、物を見る際に、目の中に入ってきた光を網膜で刺激として受け取り、視神経を介して脳へと伝達します。この網膜の中心部に当たる部分が黄斑になります。黄斑が変形すると、物が歪んで見える・視野の中心が見えなくなる・暗くなる・視力が低下するなどの症状が起こります。
加齢黄斑変性には萎縮型と滲出型があります。萎縮型は、黄斑の委縮に伴い視力が段々と低下していきます。滲出型は、網膜のすぐ下に新生血管ができ、この血管が黄斑にダメージを与えます。加齢黄斑変性が発症する原因は、以下のように萎縮型と滲出型によって異なります。
萎縮型は、加齢によって発症する加齢黄斑変性です。黄斑を形成する組織が加齢によって段々と委縮することにより、視力低下が起こります。
滲出型は、新生血管が網膜へと侵入することによって発症します。新生血管は非常に脆いため、血液の成分が漏れやすく、すぐに破れて出血するという特徴があります。新生血管から成分が漏れたり、出血したりすることで、網膜が腫れる・網膜の下に液体が溜まるなどが起こり、網膜の働きが阻害され、視覚障害が生じます。
加齢黄斑変性のおもな症状として、以下が挙げられます。
網膜が腫れたり、網膜の下に液体が溜まったりすることにより、網膜に歪みが生じ、物が歪んで見える症状です。黄斑のみに障害が起こっている状態のため、中心部分は歪んで見えますが、周辺部分は正常に見えます。
黄斑部の網膜がさらに阻害されると、中心部分が見えなくなってしまう「中心暗点」や視力低下を引き起こします。視力低下は段々と進行していき、治療せず放置すると、視力が0.1以下まで低下する可能性があります。滲出型では、新生血管が網膜下で突然大きな出血を起こし、激しい視力低下を引き起こすことがあります。萎縮型と滲出型を比べてみると、萎縮型の進行は比較的ゆっくりであることに対し、滲出型は早く進行し、悪化することが多いといわれています。
加齢黄斑変性を予防するには、以下を心がけることをおすすめします。
喫煙している人は、タバコを吸っていない人に比べると加齢黄斑変性のリスクが高いといわれています。喫煙している人は、禁煙することをおすすめします。
栄養バランスを整えることで、加齢黄斑変性の発症を完全に予防することはできませんが、発症リスクをある程度下げることができる可能性があります。ビタミンC・ビタミンE・亜鉛・βカロチンなどを積極的に摂ることが推奨されていて、これらの栄養はサプリメントや緑黄色野菜を活用することで摂取できます。
加齢黄斑変性は、自覚症状が出たころには、かなり症状が進んでいる場合があります。日常生活に気をつけながら、定期的に眼科で検査を受け、目の健康状態を確認するようにしましょう。