子宮筋腫によって貧血になってしまう原因と対処法

2017/11/7

前田 裕斗 先生

記事監修医師

国立成育医療研究センター フェロー

前田 裕斗 先生

貧血が長い間続いているが、原因がわからないという場合、女性だと子宮筋腫の可能性が考えられます。子宮筋腫の治療をすれば、貧血も改善するかもしれません。子宮筋腫とは何なのか、子宮筋腫と貧血の関係について詳しくご紹介します。

子宮筋腫ってどんな病気?

子宮筋腫とは、子宮内にできる良性の腫瘍のことです。発生する原因は特定されていませんが、女性ホルモンが影響しているのではないかと推測されています。ほとんどの場合、良性の腫瘍であり悪性化することはありませんが、子宮肉腫と呼ばれる悪性腫瘍との区別が難しい場合もあり、急速に増大する、閉経後でも大きくなるといった場合には注意が必要です。自覚症状がないことも多く、婦人科検診に行って初めて発見されることも少なくありません。

自覚しやすい症状としては、月経の出血量が多くなることが挙げられます。他にも、おりものが多くなったり、筋腫が膀胱や神経を圧迫するために、腰痛や頻尿、排尿痛を伴ったりする場合も見られます。

また、一部の種類に限られますが、子宮筋腫が不妊や流産を引き起こすこともあります。月経量の変化や、原因のわからない腰痛など、ちょっとした変化が見られたら婦人科を受診してみましょう。

子宮筋腫が貧血を招くのはなぜ?

女性は、月経を迎えるたびに大量の血液を失うため、貧血になりがちです。そこで子宮筋腫が子宮の内側にできたり、大きな子宮筋腫のために子宮内腔が引き伸ばされたりすると、月経量が更に多くなってしまったり、月経の期間が長くなったり、不正出血を招いたりしてしまいます。こうして体外に排出される血液が増えるのが、貧血を招いているとされる理由です。

子宮筋腫による貧血かどうかはどうすればわかる?

めまいや立ちくらみなど、貧血を疑う自覚症状がある場合は病院で検査を受けましょう。血液を専門とするのは血液内科ですが、子宮筋腫による過多月経や過長月経のある人で貧血が疑われる場合は、婦人科を受診すると貧血と子宮の両方を検査できます。

子宮筋腫の検査は、腟やお腹で行うエコー検査や、子宮鏡検査、MRIやCTなどの画像検査が一般的ですが、貧血の検査のために血液検査を行うこともあります。血液検査では、血中の赤血球の大きさや数、網状赤血球やヘモグロビンなどの数値をチェックします。

もし婦人科以外で血液検査を行った場合でも、貧血という診断が出れば、消化器や婦人科などで追加検査をして原因を精査するのが一般的です。

どうすれば貧血を改善できる?

子宮筋腫が原因の貧血の場合、子宮筋腫を治療することで貧血の症状を和らげられる可能性があります。子宮筋腫の手術治療は、子宮内の筋腫だけを取り除く方法や、子宮ごと摘出する方法などがあり、筋腫の位置や大きさによって治療法を考えていきます。ピルや漢方薬などの薬物療法で、月経量をコントロールしたり、貧血を緩和させたりするのも選択肢のひとつです。

また、一般的に鉄剤と呼ばれる、鉄分を補う内服薬が処方される場合もあります。なお、血液には様々な成分があり、成分ごとに鉄剤の効果がでるまでの期間が異なるので、医師に指示された期間は内服を続けることが重要です。

ただ、これらの内服薬では、吐き気や腹痛などの副作用が伴うこともあります。そのため、まずはバランスのとれた食事を毎日欠かさないようにしましょう。食物に含まれている鉄分は、肉や魚などに含まれる「ヘム鉄」と、緑黄色野菜などに含まれている「非ヘム鉄」の2つがあります。どちらもバランス良く摂取し、失われる鉄分を補いましょう。梅干しなどの酸っぱい食品と組み合わせると、鉄分の吸収はよくなります。

おわりに: 貧血は原因を突き止めることが大事

貧血自体の症状は大したことがなくても、何らかの病気が貧血を引き起こしているかもしれません。女性の場合、毎月の月経が体内の状態を把握する鍵となります。月経の量や期間など、いつもと違う様子があれば、病院を受診しましょう。

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