左右の視力の差が大きい「不同視」とは?

2017/11/10

渡辺 先生

記事監修医師

東京都内大学病院眼科勤務医

渡辺 先生

不同視とは、左右の視力が違うことであり、弱視などの原因になることがあります。不同視の原因や治療法にはどんなものがあるのでしょうか。不同視の基礎知識と、原因や矯正方法についてまとめています。

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不同視って、どんな病気なの?

片方の眼に強い乱視や近視があった場合に、その眼が見えにくいためあまり使わなくなります。そうして使わなくなった眼は、成長とともに発達しなくなり、左右の眼の屈折度が変わってしまいます。眼の屈折度が左右で違うと弱視になることがあり、これを不同視弱視といいます。
回復には小さいころからの長期的な治療が必要になります。左右の眼の違いは、片方が弱い近視があり、もう片方が強い近視になるなどさまざまで、人によって違います。

子供のころに発覚することが多いですが、本人の自覚症状が乏しく子供が症状をうまく伝えられないという背景もあるためか、3歳児検診などでわかることが多いようです。視力矯正で見え方は改善するので、普段の生活に支障がでることはほとんどありません。

不同視になってしまう理由

左右の眼の視力や近視など眼の中での焦点の合い方に違いがあることで不同視になります。これにはいろいろな原因がありますが、テレビを見るときに斜めから見ていたり、テレビ自体の角度が斜めになっていたりすると、不同視になりやすくなる場合があります。
他にも、読書や勉強に時間を使っていたり、テレビ、漫画、ゲームなどを寝転がってやっていたりすると左右の眼のバランスを崩しかねません。現代では、スマートフォンやタブレットの画面を変な体勢で長時間眺めていたりすることも、不同視の原因になります。

自覚はないかもしれませんが、左右の眼で使う頻度が違ったり、どちらかの眼に依存するような生活を送っていると、眼の屈折度数に違いが生じ、眼の調整機能が正常に働かなくなり、左右の眼でバランスが崩れてしまいます。生活の中で左右の目の使い方のバランスが崩れる原因がないか、見直してみましょう。

不同視の代表的な症状について

左右の見え方の違いは無意識的に疲労を蓄積する原因になってしまいます。また、左右の眼で視力に違いが出るだけでなく、眼の疲れや頭痛、肩こりなど眼精疲労に関わる様々な症状が現れます。
他にも、不同視によって不同視弱視を引き起こすこともあります。片方の目に強い遠視など視力に問題があると、見える側の眼を無意識に頼ってしまい、もう片方の眼が育たなくなり弱視になってしまうケースがあるのです。片方の眼が正常に働かなくなるというのは、遠近感や立体感を捉える発達の妨げになってしまいます。メガネやコンタクトで視力矯正をしたり、眼の良いほうを使わないように一時的に隠して生活する隠蔽法などで治療されます。

不同視は治すことができるの?

上記でも説明したように、まずは片方ずつの眼に合った度数でメガネやコンタクトを作り、視力矯正を行います。不同視の症状が重度の場合には、眼とレンズの距離が少し離れているメガネより、コンタクトの方が適していることが多いといわれています。また、レーシックなどの手術でも劇的に視力が回復する可能性があります。しかし、レーシック手術は誰にでも適応するわけではなく、安全性が高い手術ではありますが、まれにトラブルが起こっていることも事実です。手術をするかどうかは専門医師との相談を重ねて慎重に決断するようにしましょう。

おわりに:左右の目をバランスよく使えるように環境を整えよう

不同視は、左右の目の使い方のアンバランスが大きな原因のひとつになります。テレビの見方や設置位置、タブレットなどの見方が悪くなっていないか今一度見直し、適していない場合は改善するようにしましょう。また、不同視は視力矯正することで、問題なく日常生活が送れます。矯正方法については担当医と相談しながら、納得いく方法を選ぶようにしてください。

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