記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/11/15
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
急性中耳炎は、急に細菌やウイルスが中耳に感染し、痛みや膿などの症状が現れる病気です。大人がかかることもありますが、子供がかかりやすく、8割程度の子供に発症経験があるといわれています。この記事では、急性中耳炎の基礎知識と子供がかかりやすい理由について解説しています。
風邪などをきっかけに中耳に細菌やウイルスが入り、炎症が起きて膿がたまってしまう病気を急性中耳炎と言います。
鼻の奥に通じている耳管はつねに開閉を繰り返している状態で、この耳管から細菌やウイルスが入ってくることによって中耳の粘膜が急激に炎症を引き起こしてしまいます。
3歳以下の子供の80%が発症すると言われている一般的な病気です。中耳炎のなかでも、急性中耳炎は48時間以内に起こったものをいいます。
耳の奥が痛くなったり、耳が詰まっている感じを覚えるようになり、鼓膜の一部が破れてしまうと耳だれを起こすこともあります。症状が悪化すると発熱することもありますが、鼓膜は比較的速く再生するので、大きな問題になることはあまりありません。
聞こえづらいという症状が現れることも中耳炎の特徴的ひとつです。とくに症状が出はじめて1週間程度は重い症状に悩まされることが多いですが、正しい治療で治すことができます。耳の奥に膿が残っていると再発しやすくなることが多く、2〜3ヶ月にわたって膿が残り続けてしまうと滲出性中耳炎になります。
3歳以下の子供が80%の割合で急性中耳炎を発症すると言われています。
子供の方が中耳炎になりやすいのは、子供の方が大人に比べて耳管が太く、短く、さらに角度も水平に近い状態で存在しているため、ウイルスや細菌が侵入しやすい状態にあるからだといわれています。
また、免疫力が未熟で鼻やのどなども未発達なので、風邪などをきっかけにウイルスや細菌が感染しやすいことも原因のひとつです。
大人の場合には、3日間は抗菌薬を用いずに経過観察をすることがほとんどです。大人が発症しても軽度で済み、ほとんど治療が必要ない場合もあります。
6ヶ月未満の子供、2歳未満の子供で両方の耳に中耳炎の症状がある場合には、5日間を目安に抗菌薬が使用されます。他にも、痛みや熱の緩和のために解熱鎮痛剤が使用されることもあります。
最初の抗菌薬で改善がみられない場合は耐性菌による中耳炎が疑われ、抗菌薬の変更が検討されます。
急性中耳炎が治るまでには、通常5日から長くて2週間程度必要です。症状が治まっても途中で治療を止めずに、医師が完治と判断するまでしっかりと治療を行いましょう。
急性中耳炎は、大人がかかった場合は経過観察で完治することも多く、子供がかかった場合でも適切な治療を最後まで続ければほとんど完治します。途中で治療を止めてしまうと再発しやすくなり、滲出性中耳炎に発展するケースもあるのです。
治療は必ず最後まで続けるようにしましょう。