急性声帯炎で起こる声のトラブルの原因と治療法とは?

2017/11/21 記事改定日: 2018/12/14
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

急性声帯炎とは、声が出なくなったりかすれてしまったりする喉の病気です。一時的な炎症症状のため、ほとんどは薬で治ってしまいますが、ときには手術が必要になるケースもあります。
急性声帯炎の症状や治療などの基礎知識を紹介していくので、参考にしてください。

急性声帯炎とは、どんな病気?

私たちは声帯が振動することで発声することができます。
薄い膜状の声帯に炎症が起こることを急性声帯炎といいます。

炎症の程度にもよりますが、声を出すときに支障が出てくるようになります。
なお声帯の炎症には急性と慢性のふたつのタイプがあり、急性声帯炎は、風邪などを原因として一時的に炎症が起こることを指します。

急性声帯炎の症状は?

急性声帯炎の代表的な症状は、発声困難です。

上記でも触れたように声帯は発声に対して大きな役割を果たしているため、炎症が起こると正しく発生することができません。
声がかすれる、発声しようとするとむせてしまう、言葉としての形を保つのが難しくなるといった症状のほか、炎症が酷くなると声を出すことができなくなってしまうこともあります。

それから声帯にできた炎症のために喉全体に痛みや違和感が出てくるのも、急性声帯炎の症状の特徴です。
痛みや違和感から食べ物や唾をのみこむのが難しくなる、嚥下障害が起こることもあります。その他、全身の発熱、痰、倦怠感などの症状が現れることもあります。

急性声帯炎の原因

急性声帯炎は、風邪、インフルエンザなどの感染症で咽頭などに発生した炎症が声帯にまで及んでしまうことが主な原因です。
また、甲状腺の病気などにより腫れた甲状腺が声帯を圧迫しり炎症が起こってしまうこともあります。

そのほか、声帯ポリープ、咽頭がん、声帯結節など声帯自体の病気や、タコ、マメのような結節ができることも、急性声帯炎が引き起こされる原因になります。

これらは初期の段階では炎症を引き起こすことは少ないとされていますが、大きくなったり、数が増えると声帯の炎症につながるリスクが高まります。
また普段お酒を飲まない人がお酒を飲むと、アルコールの脱水作用により一時的な脱水状態になり、声帯に炎症ができることがあります。

急性声帯炎の治療法

急性声帯炎は、一般的には炎症を引き起こした原因菌に対する抗生物質、あるいは炎症そのものを抑えることに作用がある抗炎症薬の服用が基本です。
喉の痛みなどが伴っている場合には、それを抑えるための鎮痛薬が出されることもあります。

あくまで一時的な炎症なので、多くの場合はこうした内科的治療により時間の経過と共に症状は解消されていきます。

しかし声帯ポリープや咽頭がんなど、声帯にデキモノができている場合には、それらを手術で除去しなければ根本的な解決にはなりません。
また、咽頭がんの場合には、放射線治療や化学療法が選択されることもあります。

急性声帯炎は市販薬で治せる?

急性声帯炎は、市販薬によってある程度症状を改善できる場合があります。
おすすめの市販薬は、「ぺラックT錠®」と呼ばれるもので、声帯の炎症を抑える効果があります。また、その他にも漢方薬が有効なケースもあります。代表的なものでは、咳を伴う声場合には麦門冬湯、扁桃や咽頭の炎症も生じている場合には桔梗湯、のどの異物感がある場合には柴朴湯などが挙げられます。

しかし、消炎鎮痛剤の種類によっては声帯振動の状態を悪化させたり、適切な抗生物質を服用しないことで炎症が慢性化することもあります。安易に市販薬の服用を続けず、なるべく医師に相談して適切な治療を受けるようにして下さい。

おわりに:急性声帯炎は薬物治療で治ることがほとんど。ただし、ポリープや腫瘍などが原因の場合は手術が必要

急性声帯炎は風邪などのウイルスや細菌などが原因による一時的な炎症のため、薬物治療で治ることがほとんどです。ただし、声帯ポリープや咽頭がんなどが原因になることもあり、その場合は手術が必要になります。
声がうまく出ない、かすれてしまうなどの症状があるときは、早めに病院で検査してもらいましょう。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

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