記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/11/22 記事改定日: 2018/12/17
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
喉の痛みや咳、発熱があった場合、きっと多くの方は「風邪かな?」と思うでしょう。しかし、「急性咽頭炎」によって、これらの症状が引き起こされている可能性もあるのです。
詳しくは以下で解説していきます。
急性咽頭炎は、口の中や鼻の奥にある咽頭の粘膜やリンパ組織に炎症が起こる病気です。
喉に炎症が起こることで、喉の痛みがでたり、食事のときに食べ物を飲みこむ時に強い痛みを感じ、飲み込みにくくなります。
また、喉の炎症により痰がでたり、咳がでることもあります。喉の痛みが耳のあたりまで広がると、耳に痛みを感じることもあります。炎症部位が上部の咽頭の場合には、鼻の奥に痛みを感じたり、鼻水が喉の奥に落ちてきたりします。
急性咽頭炎になることで全身にあらわれる症状として、身体のだるさや発熱があることが多く、頭痛が起こることもよくあります。喉の違和感が増すことで、違和感をなんとかしたいと咳ばらいが増える人もいるようです。
急性咽頭炎を起こす代表的な原因菌は、アデノウイルス、溶連菌やインフルエンザ菌などが主なものです。ウイルス性のものが最も多いとされていますが、細菌感染も見られます。どちらも症状が似ているため、原因菌を確定するには組織検査などが必要になっていきます。
小さな子供は風邪をひいたときに急性咽頭炎を引き起こすことが多く見られますが、もうひとつの原因として、刺激性ガスの吸入などによる物理化学的な刺激が挙げられます。
有害なガスなどを吸い込んだことで喉に傷がつき、そこに炎症が起こってしまうパターンです。煙や黄砂、PM2.5など空気中の物質でも、急性咽頭炎の原因となる物質があります。特に近年では、そういった物質が高濃度で計測されることが増えているので、身体にとっても影響が大きくなっています。
急性咽頭炎は予防できる病気です。原因となるウイルスや細菌が体内に入らないようにすることが発症予防になります。そのためには、風邪をひいている人が多い季節には人込みを避け、外出から帰ってきたら、手洗いとうがいをしっかりと行うことが大切です。
また、室内の温度や湿度も適切に保つことで予防効果が高まります。温度が低く湿度が低いと、ウイルスが増殖しやすくなるので、温かく適度な湿度が保たれるようにします。
そして、身体の抵抗力を高くすることも予防には有効です。食事はバランスのとれたものを適量食べるようにして、規則正しい生活を送るようにします。睡眠時間が不足すると疲れがとれず、免疫力が下がるので、しっかりと睡眠時間を確保して休息する時間を作るようにしましょう。
急性咽頭炎の喉の痛みは、喉の粘膜に炎症が生じていることが原因です。
このため、消炎鎮痛剤や抗生物質などの服用によって症状を改善させることができます。
しかし、喉の痛みは薬以外にも日常生活を改善することで和らげることが可能です。
対処方法には以下のようなものが挙げられます。
喉の粘膜は粘液に覆われており、乾燥するとヒリヒリとした痛みを引き起こすだけでなく細菌やウイルスが感染しやすくなって、喉の更なる炎症の原因になることがあります。
マスクの着用や室内の加湿などによって喉の乾燥を防ぐようにしましょう。
声の出しすぎや大声などは喉の粘膜に負担をかけ、急性咽頭炎の治りを遅くする原因になります。喉の痛みがある場合は、無理な発声は避け、必要以上に声を出さずに喉を休めるようにしましょう。
喉の痛みは、粘膜の炎症によるものです。炎症した粘膜を修復するには、適度な血行が必要です。このため、痛みをできるだけ早く和らげるには、ホットタオルなどで首元を温めるようにしましょう。また、冬はマフラーなどを用いて首元を冷やさないことも大切です。
主に細菌やウイルスなどによって引き起こされる急性咽頭炎。原因が特定されている分、予防もしやすい病気なので、日頃から手洗い・うがいの徹底、マスクの着用、規則的な生活習慣などを心がけましょう。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。
この記事の続きはこちら