記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/12/16
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
風邪を引いたときや疲れたときなど、体調が戻っても喉の痛みだけがなかなか治らないということは、よくありますよね。
その長引く喉の痛みには、風邪ではない疾患が潜んでいるかもしれません。
今回は長期間の喉の痛みの原因や治療法、痛みを長引かせないためのコツを解説します。
風邪を引いたことをきっかけに喉の痛みが続き、なかなか治らないという場合には「急性扁桃炎」や「上咽頭炎」を起こしている可能性があります。
急性扁桃炎と上咽頭炎、それぞれの病気の概要については、以下の通りです。
急性扁桃炎と上咽頭炎、どちらも風邪に伴って発症しやすいため、風邪の後に長引く喉の痛みの原因となりやすいです。
ここからは、急性扁桃炎と上咽頭炎による長引く喉の痛みを、早く治すための治療方法をそれぞれご紹介していきます。
症状の出方・程度によって治療方法は異なりますが、ウイルス性の風邪が原因の軽度なものであれば、解熱鎮痛剤や消炎剤を使った発熱・痛みへの対症療法がメインになります。
また、細菌が原因のものであれば抗生物質の内服・点滴で治療するのが一般的です。
ただし溶連菌を原因とする発症の場合は、合併症としてリウマチ熱を発症するのを防ぐため、10日間ペニシリン系抗生物質を服用します。
0.5~1%濃度の塩化亜鉛溶液をしみこませた綿棒を喉や鼻から挿入し、炎症を起こしている上咽頭に直接塗ることで、治療するのが一般的です。
上咽頭炎へのこのような治療方法は「EAT(イート)」と呼ばれています。
喉の痛みに対しどのような治療法をとるべきかは、痛みの原因によって変わってきます。
急性扁桃炎か上咽頭炎か、または別の疾患かを一般の人が判断するのは難しいので、喉の痛みが長引いているときは内科・耳鼻咽喉科の病院で診てもらってください。
喉の痛みを長引かせないようにするには、喉を保湿し乾燥から守ることが効果的です。
喉が渇いたと思う前にこまめに水分補給をし、口呼吸の習慣を改めて口の中を乾きにくくしたり、マスクを付けるなどして喉の保湿を心がけてください。
また、冬から春先にかけての乾燥する季節は部屋の湿度が40~50%程度になるように加湿器を使用し、部屋の湿度を適度に保つのも効果的です。
室内の空気と口内、両方を保湿して乾燥から守るようにして、喉の痛みを予防しましょう。
風邪の後、喉の痛みがなかなか治らないなら、風邪をきっかけに急性扁桃炎や上咽頭炎を発症している可能性があります。喉にある部位のうち急性扁桃炎は中咽頭に、上咽頭炎は上咽頭にウイルスや細菌が原因の炎症が起こることで、喉の痛みや発熱を生じさせます。これらの喉の痛みを治すには、原因にあった方法での治療が必要です。喉の痛みが長引いてなかなか治らないときは、早めに病院に行って医師による診断・治療を受けましょう。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。
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