急性扁桃炎の症状とは?子供と大人で違いはあるの?

2017/11/30 記事改定日: 2019/1/9
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

食べ物が飲み込めないほど喉が痛かったり、発熱があったりする場合、もしかしたら「急性扁桃炎」を起こしているかもしれません。
今回の記事ではこの急性扁桃炎の症状と原因、大人と子供の違いについて解説していきます。

急性扁桃炎の症状

急性扁桃炎の主な症状は、炎症による発熱や喉の痛みです。高熱が出ることもあり、それに伴い全身のだるさや悪寒、関節痛などがあらわれます。
食欲低下や頭痛を伴うこともありますが、症状の中でも特に喉の痛みは強く出ることが多く、悪化すると食べ物を飲み込む時に激痛がして食事ができなくなることもあります。

口蓋扁桃の炎症だけではおさまらないときには、同じように免疫機能をつかさどるリンパも炎症を起こします。

口蓋扁桃からの距離が近い首のリンパにも炎症が起こると、首のリンパの腫れとなって症状があらわれます。炎症が悪化していくと扁桃の周囲にまで炎症が広がって起こる扁桃周囲膿瘍を引き起こす可能性がでてきます。

口蓋扁桃とは?

口蓋扁桃というのは一般的にのどちんこと呼ばれている口蓋垂の左右両側にあり、扁桃腺と呼ばれることもあります。
よく「扁桃腺が腫れる」と言われるのは、口蓋扁桃が腫れて赤くなり急性の炎症を起こしている状態を指します。
急性扁桃炎を起こしたときは、赤く腫れる以外に、白色の膿で覆われて口蓋扁桃が白く見える場合があります。

子供と大人の違いは?

急性扁桃炎は免疫力の低い子供に多く見られる病気です。
子供の場合は、38度以上の高熱や強い喉の痛み、倦怠感、関節痛などの症状が現れ、通常は一週間以内に治ります。
一方、大人の場合は免疫機能が完成するため、急性扁桃炎にはかかりにくくなります。

しかし、小児期に急性扁桃炎を繰り返した場合や、十分に治らないまま炎症が慢性化している場合には大人でも急性扁桃炎を繰り返す人がいます。症状は、子供の場合と同様に強い全身症状が現れる場合もありますが、微熱や軽度な喉の痛みなどに留まるケースも多々あります。

急性扁桃炎の原因は?

急性扁桃炎が起こる原因として、主なものは細菌やウイルスの感染です。急性扁桃炎を引き起こす細菌やウイルスには様々なものがありますが、化膿性連鎖球菌やインフルエンザ菌、EBウイルス、肺炎球菌などによって起こる場合が多いです。

扁桃には普段からいくつもの細菌やウイルスが存在していますが、健康な時には病原菌は増殖しません。ただ、疲れている時や睡眠不足の時、風邪にかかっている時など何らかの原因で免疫力が低下した時、一気に病原菌が増殖します。そうなると身体の免疫力が働き、扁桃が病原菌と戦うことで炎症を起こします。

なお、扁桃腺は加齢と共に委縮していくので、高齢者になると扁桃に炎症がおこることはほとんどなく、急性扁桃炎を起こすのは子供や若い人がほとんどです。

急性扁桃炎はどのように治療するの?

急性扁桃炎を引き起こす細菌は様々なので、まずはどの細菌に感染しているかを調べ、その細菌に対して効果のある抗生物質を服用します。もしも病原体がウイルスの場合には、症状に合わせて解熱鎮痛薬を使用して熱や痛みを抑えたり、抗炎症剤で炎症を鎮めるといった対症療法を行います。

特に苦痛の強い喉の痛みに対しては、うがい薬を使ったり、水分をしっかりと摂ることで、喉が乾燥して痛みが強くなることを防ぎます。

また、部屋の加湿を行うことも必要です。喉の痛みが強く水分さえも摂れずに脱水症状が起こりそうな時には、水分を補う輸液を行います。食事が長期間摂れないことで栄養失調になった時には点滴で必要な栄養を補う治療を行います。

おわりに:急性扁桃炎は、症状が悪化する前に病院へ

放置すると悪化し、扁桃周囲膿瘍を引き起こす恐れもある急性扁桃炎。急性扁桃炎は若い人や子供の発症率が高い病気なので、喉の激痛などが現れたら、すぐに病院に行くようにしてください。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

関連記事

この記事に含まれるキーワード

扁桃周囲膿瘍(2) 急性扁桃炎(3) 抗炎症剤(1) 急性扁桃炎の症状(1)