新生児痙攣(けいれん)はなぜ起こる? 症状が出たときの対処法は?

2017/11/15

前田 裕斗 先生

記事監修医師

国立成育医療研究センター フェロー

前田 裕斗 先生

新生児痙攣(けいれん)は珍しい病気ではないありません。しかし、生まれたばかりの赤ちゃんが急に痙攣を起こしたら心配と不安でいっぱいになると思います。痙攣が起きたときに慌てず落ち着いて対応できるよう、ここでは新生児痙攣の原因や症状などについて詳しく解説します。

新生児痙攣(けいれん)ってどんな病気?

新生児痙攣(けいれん)とはどんな病気で、どんな症状が出るのでしょうか。以下で詳しく解説していきます。

新生児痙攣(けいれん)とは

赤ちゃんは脳や神経が未発達の状態で生まれてきます。そのため大人であれば問題がない程度の変化でも、赤ちゃんにとっては痙攣(けいれん)を引き起こす原因になる場合があります。生まれてから7日間程度、神経学的な要因を含めたさまざまな要因により起こるものを新生児痙攣と言います。

新生児痙攣(けいれん)の症状は

痙攣というと、身体が強張ったり、がくがくしたりするひきつけのようなイメージがあるかもしれません。
しかし大脳皮質機能の未熟な新生児の場合は、上記のような一般的な痙攣の症状がでることはまれであり、一見すると痙攣発作にみえないような微細な発作が多いことが特徴です。

微細発作は正期産児より早産児に多くみられ、ミルクを吸うときのような異常運動、自転車をこぐような動き、まばたきの繰り返し、嘔吐、無呼吸などの症状が現れます。新生児痙攣には、微細発作のほかにも、反復性で規則的な間代性痙攣、持続的な強い収縮を起こす強直性痙攣、すばやい筋肉の収縮を起こすミオクローヌス発作がみられることもあります。一見すると普通の状態に見えてしまうこともあるため、見た目だけで判断するのは難しいといわれています。

痙攣が起こるのはなぜ?

新生児痙攣は、低出生体重児、早産児に起こることがあります。また、新生児期に起こりやすいさまざまなトラブルや病気などが原因で発症することもあります。
原因の中でも重篤なものは以下の通りです。

・低酸素性虚血性脳症
・出生時に起こったくも膜下出血や脳室内出血などの脳出血
・低血糖や低カルシウム血症、低マグネシウム血症、低ナトリウム血症などの代謝異常
・細菌性髄膜炎、ウイルス性脳炎など感染症
・中枢神経系の奇形
・核黄疸によるビリルビン脳症
・母親の麻薬や睡眠薬などによる薬物離脱症候群
・家族にてんかんの人がいるなど遺伝的な要因

新生児痙攣が起きたとき、どうすればいい?

痙攣が長くなればなるほど後遺症を残す危険性があるので早期診断、早期治療が重要です。痙攣が起きた場合、動揺せず落ち着いて、救急車を呼ぶか病院に連絡し、早急に診察してもらいましょう。

新生児痙攣の治療と予後について

新生児痙攣は、保育器の中で心拍数、血圧、呼吸数などを十分に観察し、痙攣が続くようであれば酸素の吸入を行います。その間に原因に対する治療を行いますが、原因がすぐにわからない場合は薬で痙攣を止める治療が優先されます。新生児痙攣の予後は、痙攣の原因疾患と痙攣の継続時間などで異なってきますが、精神発達異常遅滞、運動障害、てんかんなどの神経学的後遺症を残す可能性があります。

おわりに:日頃から赤ちゃんをよく観察し、早期発見、早期治療に努めよう

新生児痙攣ははっきりとした痙攣症状が出ないことが多く、いざ痙攣が起こっても見過ごしてしまい、治療が遅れてしまうケースがあります。そのため、日ごろから赤ちゃんをよく観察して、変化に気づけるように努めることが大切です。少しでもいつもと違う様子に気づいた場合は早めに病院を受診するようにしましょう。

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