脳の酸素が低下してしまう?! アダムス・ストークス症候群とは

2017/11/29

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

アダムス・ストークス症候群とは、不整脈などが原因で脳の血液量が減ってしまうことで発症します。めまいなどの軽い症状で始まることが多い病気ですが、症状を繰り返すケースもあるため早期の対処が必要になることもあります。アダムス・ストークス症候群について詳しく解説していくので、思い当たることがないか確認してみてください。

アダムス・ストークス症候群とは?

アダムス・ストークス症候群とは、不整脈により急激に心臓から脳への血液の供給が低下することで、脳の酸素が不足し、失神・めまい・尿失禁・全身痙攣などが生じる病態です。通常は数分程度で回復しますが、重篤化すると死に至ることがあります。

この症状は前兆がなく突然生じるため予測や予防は困難です。最初はめまいなどの軽い症状で現れることが多くすぐに回復しますが、繰り返し発症して生活に影響することがあります。

アダムス・ストークス症候群の症状

アダムス・ストークス症候群の症状は、不整脈の種類や異常の継続時間によって異なります。

脳の虚血状態が短時間の場合は、めまい、瞬間的な意識の遠のき、一瞬の脱力感などの症状が現れます。
心臓の異常が数秒以上続いた場合は失神などの意識障害を起こし、尿失禁、全身痙攣などが生じることもあり、この状態では脳の酸素濃度が極端に低い状態に置かれているため、脳に重大な損傷が及ぶ危険性があります。

また、チェーンストークス発作(交代性無呼吸)が起こることもあります。これは、1回の呼吸量が減った浅い呼吸と、その後で大きな息を吸い込む呼吸が繰り返しておこる症状であり、これは瀕死状態に陥っているため危険です。

原因のほとんどが心臓の不調って本当?

心臓の上大静脈と右心房の境界付近に洞結節という結節があります。心臓は、洞結節から発生した刺激が心房の壁から右心室の境界近くにある房室結節に伝達されることで規則正しく拍動しています。

アダムス・ストークス症候群は洞結節で発する刺激の経路である刺激伝導系に障害が生じる病気で、心臓が収縮しなくなり不整脈や心停止を起こすことで脳に血液が送られなくなり、意識障害や痙攣などを引き起こします。
アダムス・ストークス症候群を引き起こす原因の5割~6割は房室ブロックとされますが、これは心臓の刺激伝達システムに異常が起こり、心房から心室への刺激の遅れや途切れが生じる病気です。房室ブロックは、心筋梗塞や心筋炎などの循環器疾患、高カリウム血症や膠原病などの持病が原因となります。また高血圧や頻脈性不整脈治療薬の内服により発症する場合もあります。

その他、原因の3割~4割は洞不全症候群とされます。これは、加齢や虚血性心疾患や心筋症、薬剤の副作用などが原因になって洞結節がうまく機能しない病気です。房室ブロック同様、虚血性心疾患やリウマチ性の心疾患に合併して起こることもあります。

その他にも、心室頻拍や心室細動、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、冠動脈硬化やウイルス感染、リウマチなどが原因になることもあります。

治療法はあるの?

使用している薬の副作用が疑われる場合は、可能な範囲で薬の服用を一時中止します。体内のミネラルバランスが原因である場合は、直ちに点滴治療を行います。

また原因となる不整脈に応じた治療が必要です。徐脈が原因であるときは、意識消失発作の予防のためにペースメーカーの埋め込みが行われ、心室細動や心室頻拍の再発が危惧されるときには、除細動機の植え込みが行われます。これは、頻脈発生に際してそれを電気的に停止させるための治療方法です。

なお失神して頭を強打するなど二次的被害の危険があるため、発症した場合はすぐに横になったり腰かけたりすることが重要なことも留意しておきましょう。

おわりに:めまいや失神を繰り返すこともあるので、早めに病院に相談を

アダムス・ストークス症候群の症状はめまいや失神です。数秒で回復するケースもありますが、原因はさまざまな重症の不整脈であり、繰り返し症状が出現する可能性もあるため、早めに病院を受診するようにしましょう。

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