心筋症になるとどんな症状が現れる?子供と大人で特徴が違うの?

2017/12/5 記事改定日: 2018/11/19
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

心筋症とは、心臓の筋肉(心筋)の状態に異常が起こることで動悸や息切れなどの症状が起こる病気です。同じような症状が起こる心臓の病気に心筋梗塞がありますが、この2つの病気は何が違うのでしょうか。心筋症の症状や特徴、治療など、基礎知識を紹介するので、この病気に対しての理解を深めるきっかけにしてください。

心筋症とは?

心筋症とは、なんらかの原因で心筋の状態が悪くなり、心臓の機能が低下する病気のことです。
心臓は、心筋を拡張させたり収縮することでポンプのように血液を送り出しています。肺へ血液を送り出す右心房と右心室、全身へ血液を送り出す左心房と左心室の4つの筋肉の袋で心臓は構成されています。この筋肉を心臓の筋肉「心筋」と呼びます。

心筋症は、起きている異常によって肥大型、拡張型、拘束型の3種類に分類されます。
肥大型は心筋の厚みが増してしまう心筋症です。厚みが増すことで心臓の容量が減ります。拡張型は、心臓全体が丸く膨れ上がり、心筋が薄くなります。拘束型は、厚みに変化はないのに心筋全体が硬くなり、心臓が膨張しにくくなるタイプです。それぞれ症状や経過、治療法が異なるので注意が必要です。

心筋梗塞との違い

心筋梗塞は、心筋に栄養や酸素を送る冠状動脈が、動脈硬化などの影響で血液が流れなくなることで起こる病気です。冠状動脈の血流が不十分になると、心臓を動かす血液が不足します。冠状動脈が完全にふさがり、血流がない状態が続くと、その部分の心筋細胞が壊死してしまいます。

冠状動脈の血液の流れが原因の心筋梗塞に対し、心筋症は、はっきりとした原因がわからないことがほとんどです。原因不明のものをまとめて特発性心筋症と分類します。原因が違うため、検査方法や治療方法も異なります。

心筋症の症状は、種類ごとで違うの?

心筋症の症状は、種類ごとで異なります。

肥大型心筋症

肥大型心筋症は一度に送り出せる血液量が減るため、動悸が激しくなる、身体を動かした時に息切れをする、呼吸困難、胸痛、むくみ、失神などの症状がでることがあります。

拡張型心筋症

拡張型心筋症は血液を送り出す力が弱まるため、息切れ、手足が冷たく感じる、全身がだるい、むくみ、食欲不振、夜中の呼吸困難などの症状が現れます。

拘束型心筋症

拘束型心筋症では、息切れ、むくみ、動悸、疲れやすい、全身がだるいなどの症状がでます。また、心室細動という不整脈が発症しやすくなります。

子供と大人で、症状や特徴が違うの?

心筋症は子供と大人で症状や特徴が異なります。それぞれの特徴は以下の通りです。

子供の場合

子供に多く発症するのは、拡張型心筋症と肥大型心筋症です。
拡張型心筋症は1歳未満の新生児期に発症することが多く、重篤な心不全を引き起こして心臓移植をしなければ死に至ることが多いとされ、症状は哺乳量が少ない、呼吸状態が悪くチアノーゼが見られる、体重が増えないなどの症状が現れるのが特徴です。

一方、肥大型心筋症は合併症として不整脈を引き起こさなければ比較的予後は良く、運動制限は必要であっても手術で症状を改善させることも可能です。

大人の場合

大人になってから発症する心筋症は、子供の心筋症と異なり心機能の低下は急激に現れず、症状としては、倦怠感や息切れ、動悸、むくみなどが挙げられます。

特に拡張型心筋症はかつては心臓移植しか治療法がないと考えられていましたが、これらの症状を改善するための薬物療法やペースメーカー植え込み手術、植え込み型人工心臓手術などを行えば、心臓移植を行わなくても日常生活が送れることもあるとされています。

心筋症は、どうやって治療するの?

心筋症はまず、薬での治療から始まります。原因がわからない特発性心筋症の場合は根本的に治すのが現状では難しいですが、薬で病気の進行を遅らせることは可能です。心筋症の薬は著しく進歩しており、薬をきちんと服用することで、症状が軽い方であれば正常に近い程度まで良くなる場合もあるといわれています。

薬だけで症状が回復しない場合や悪化した場合は手術が必要になります。中でも進歩してきているのがカテーテルによる手術です。特にカテーテル治療が行われているのが肥大型心筋症で、カテーテルで分厚くなりすぎた箇所の治療も対応できるようになりました。カテーテル検査の要領で受けられるため術後の負担も少なく、入院期間も少なくなります。拡張型心筋症では、心臓の収縮を助ける心臓再同期療法という手術や、心臓移植などで治療していきます。

おわりに:心筋症になっても適切な治療を行えば普通の生活を過ごせる

心筋症と聞くと、命に係わる病気と思い恐怖を感じることもあるでしょう。しかし、病状に合わせて適切な治療を行えば、通常通り仕事や学校を続けることができると考えられています。また、医療費補助なども整備されているため、不安になりすぎる必要はありません。まずは医師の指示を守り、治療をすすめていきましょう。

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