スポーツ中や交通事故が原因で発症しやすい「頸椎捻挫」とは

2017/11/30

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

スポーツや交通事故などで激しく頭が揺さぶられたときは、「頸椎捻挫(けいついねんざ)」の発症リスクが高まるとされています。今回の記事では頸椎捻挫が起きたときの症状や対処法などを中心に解説していきます。

頸椎捻挫(けいついねんざ)とは

頸椎捻挫(けいついねんざ)は外傷性頸部症候群とも呼ばれ、首の部分を指す頚部が外からの強い力を受けることによって発症する捻挫の一種です。首の筋肉や神経組織に影響を及ぼす疾患の一つで、一般的にはむち打ち症として知られています。

頸椎捻挫は、首をはじめとする筋肉や神経に様々な症状をもたらし、首や背中の痛みや極度の肩こり、めまいや耳鳴り、頭痛や吐き気、食欲不振などの症状が現れます。また、症状が現れるのが事故の直後でなく、翌日もしくは数日経過してからというケースが多いのも、頚椎捻挫の特徴の一つと言えます。

頸椎捻挫を発症しやすい場面

 

頸椎捻挫は、交通事故やスポーツ中などの激しい接触によって、頭部が急激に振られる状態となったときに発症することが多いです。

交通事故の場合は、自動車が衝突する瞬間に頭が強く振られますが、交通事故によって頚椎捻挫を発症する場合、9割以上の人が追突されたほうの車に乗っており、そのほとんどが、後ろからの突然の追突によって首が前後に強く振られたことで頚椎捻挫を発症しています。

一方、スポーツ中の発症としては、激しいぶつかり合いがあるアメリカンフットボールやラグビー、柔道や相撲などの格闘技といった競技を行う人に頸椎捻挫は多く見られます。そして交通事故と同じように、ぶつかる動作を仕掛ける側よりも、その衝撃を不意に受けた側の人が頚椎捻挫を起こしやすいとされています。

頸椎を捻挫すると、どんな症状が現れるのか

頚椎を捻挫すると、首の中にある交感神経や椎骨動脈が強い緊張状態に陥ることで、頭痛やめまい、吐き気、食欲不振や手足のしびれなど、つらく不快な症状が全身にあらわれることが多いです。首周りの筋肉や筋膜に炎症が起こることで、患部が熱を持ち、強い痛みや腫れを伴うこともあります。

ただし、頸椎捻挫は、レントゲン等の検査で頚椎の損傷などが見られないことから診断は難しく、衝撃を受けた直後ではなく翌日や数日後に、上記の症状が現れる傾向にあります。

捻挫した場合の対処法

頸椎捻挫と診断された場合、まずは患部の安静と固定を行うことが重要です。首をギプスや頚椎カラーと呼ばれる専用の装具で固定し、痛みが強いようであれば消炎鎮痛剤や筋弛緩剤が処方されます。炎症が強い場合は発症直後にアイシングなどの処置を行い、安静を保ちつつ、炎症が治まる3日から5日ほど経ったところで、アイシングから温熱療法に移行します。そうして温熱療法によって患部や全身の血流の促進を図って、自然治癒力が高まるのを促して早期改善を目指します。

ただし、交通事故による頸椎捻挫で手足にしびれが出ている場合は、頚椎ヘルニアも発症している場合があるので、治癒までにさらに時間がかかることがあります。

おわりに:外的に強い衝撃を受けたなら、数日後の症状に注意しよう

スポーツや交通事故で強い衝撃を受けてから数日後、首の痛みや吐き気、手足のしびれといった症状が現れたなら、頸椎捻挫の可能性があります。ご紹介した対処法を行い、なるべく早く医療機関を受診するようにしてください。

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