記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/12/4 記事改定日: 2019/2/22
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
加齢による身体機能の低下や、膀胱炎などの疾患によって引き起こされることのある「頻尿」ですが、中には心理的な要因によって引き起こされる「心因性頻尿」というものがあります。
今回はこの心因性頻尿の治療法やセルフケアについて解説していきます。
1日に10回以上トイレに行きたくなる症状を頻尿と呼んでいます。
その中でも、心因性頻尿とは精神的な問題が原因で頻尿になってしまうことです。
なお、心因性頻尿では検査をしても膀胱や腎臓など泌尿器系の異常は見られません。
トイレに行く回数は増えても一回の排尿量は少なく、楽しいときやリラックスしているとき、また夜寝ているときには症状が出ないのが特徴です。
心因性頻尿は精神的緊張や不安、ストレスなどの精神的な問題が原因で起こります。
緊張してトイレに行きたくなってしまった、恥ずかしくてトイレに行けなかった、というような過去の経験があるとより発症しやすくなるといわれています。
これはプレッシャーにより膀胱が収縮しやすくなってしまい、尿意を感じやすくなってしまうからです。
なお、心因性頻尿になる人は真面目で几帳面な人が多く、そのような人は繰り返し再発しやすいといわれています。
心因性頻尿の可能性がある場合、まず膀胱や腎臓などの検査をして、泌尿器系に異常がないことを確かめます。また、糖尿病などの全身性の病気がある場合も頻尿になることがあるので、血液検査やエコーなどの検査が行われることもあります。
心因性頻尿の治療は主に心療内科や精神科が専門であり
を中心に治療が進められていきます。
排尿の回数とタイミングを把握するために、排尿日誌をつけるように指示されることもあるでしょう。
心因性頻尿の治療には、気持ちを落ち着ける効果のある薬が使用されることがあります。
電車に乗った時や試験中など特定の状況で頻尿になりやすいことが分かっている場合には、事前に抗不安薬などを服用するのが有用なケースがあります。また、原因がはっきりしない時には向精神薬や副作用の少ない漢方薬などの服用を続ける場合もあります。
心因性頻尿に対する薬物療法の効果には個人差があり、合わない薬を服用するとかえって症状が悪化することがあります。主治医と良くコミュニケーションを取って色々な薬を試しながら、自分に合ったものを見つけるようにしましょう。
心因性頻尿に対するセルフケアとして、以下のような対処法がおすすめです。
心因性の頻尿は気にすれば気にするほどひどくなってしまいます。トイレのことを気にし過ぎないことも大切です。
また、1日の中でリラックスして過ごせる時間を持つよう、意識して生活しましょう。再発を防ぐためにも、ストレスを発散できるような趣味や楽しみを見つけるように心がけてください。