突然、激しい腹痛や嘔吐が! 腸閉塞(イレウス)ってどんな病気?

2017/12/4

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

腹痛や嘔吐、吐き気などの症状がみられた場合、「ただの胃腸炎だろう」と自己判断してしまう方は少なくありませんが、「腸閉塞(イレウス)」という病気の可能性もあります。詳しい症状や原因、治療法について、以降で解説していきます。

腸閉塞(イレウス)とは

通常、口から食べた食べ物は消化されながら胃を通り、腸に届いて栄養分は体内に吸収されながら肛門から排出されます。腸閉塞(イレウス)とは、この食べ物などの通り道である腸に何らかのトラブルが起き、ものが通りにくくなったり全く通れなくなる病気です。腸が詰まることで食べ物の通り道が阻害されるので、同じ場所に食べ物が留まり、お腹の痛みが出たり、吐き気がしたりします。

腸閉塞(イレウス)は色々な病気が原因で起こる病気で、腹痛と吐き気、嘔吐が見られる場合に疑われることが多いです。

腸閉塞の症状

腸閉塞は、腸の中で食べ物が詰まった時に急激に症状が発生することがほとんどです。急に強い腹痛を起こし、吐き気と嘔吐を伴います。食べ物が詰まっている部位の腹部の張り感があらわれ、外から見ても膨らみがわかることもあります。腹痛の特徴は非常に痛む時と痛みが和らぐ時を繰り返す点です。

腸の詰まりがひどくなると腸の内容物が逆流して嘔吐が起こります。腸が詰まるため排便や排ガスは起こらず、腹部の腸の蠕動運動の音が聞かれなくなります(ただし初期では出口近くの便が出ることがあります)。嘔吐や腸内での水分や電解質の漏出による脱水も伴います。

なお、腸がねじれるタイプの腸閉塞もあります。この場合には継続的に激しい痛みが続き、次第に顔面蒼白、冷や汗がみられショック状態になることがあります。また、腸がねじれたことで腸の血管もねじれ、血流が止まって腸の一部が壊死してしまうこともあります。

腸閉塞の原因

腸閉塞の原因は、腸の外側に原因があるものと、腸の内側に原因があるものに分けられます。

腸の外側に原因があるものとしては、外部からの圧迫―例えば開腹手術を受けた場合、腸同士、腹壁との癒着が起こることで、癒着部位を中心にして腸がねじれたり折れ曲がったりすることがあります。また、脱腸でも腸閉塞が起こることがあります。

一方、腸の内側の原因として代表的なものは、大腸癌の腫瘍の増大です。大きくなった腫瘍が食べ物の通りを遮ってしまうことで、腸閉塞が起こることがあります。他には便秘で古くなった便が硬くなり、腸を詰まらせて腸閉塞を起こすこともあります。

腸閉塞の治療法

腸閉塞の治療の基本は保存療法です。食べ物はもちろん水分も腸内に入れないことで腸の安静を保ち、腸の腫れが引くのを待ちます。

病状が進行してしまっている時には、イレウス管というチューブを使い、詰まっている内容物を取り出す治療を行います。症状が落ち着いてくると、詰まったものの残りは自然と腸に吸収されていくようになります。この治療中、水分や栄養分、必要な電解質の補給は輸液で補います。治療後に排ガスや排便があれば、腸閉塞が治癒したサインとなります。

もしそれでも病状が改善しない時には、開腹して詰まった部分を治す手術療法が行われます。なお、腸がねじれて壊死を起こしてしまうような症例の時には、様子を見ていても治ることは少なく、すぐに治療しないと重篤な状態になるため、最初から手術療法が選択されます。

おわりに:腸閉塞によって腸の一部が壊死することも

腸閉塞はタイプによっては、壊死につながってしまうリスクがあります。該当する症状がみられたら、まずは病院で検査を受けましょう。

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