胆道ジスキネジーになるとどんな症状が現れるの?

2017/12/1 記事改定日: 2020/3/24
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

「胆道ジスキネジー」という病気をご存知ですか?胆汁の排出異常によって起こる病気です。この記事は、胆道ジスキネジーの症状の特徴や原因について解説していきます。

胆道ジスキネジーとは?

胆道ジスキネジーとは、胆のうや胆管、肝臓などの臓器に炎症や胆石、がんといった異常がないにもかかわらず、右上腹部に痛みを感じるなど、胆石症に似た症状が現れる状態のことをいいます。発熱や吐き気、腹部の膨満感といった症状が現れる場合もあります。

人の体は食事などで摂取した食べ物を消化するために、肝臓で生成される胆汁が胆道から十二指腸へと送り出されています。このとき胆道内にあるファーター乳頭が開いて胆汁を送り出しています。
ところがファーター乳頭が何らかの原因によって異常を起こすと、胆汁が排出されなかったり急速に排出されたりしてしまいます。胆道ジスキネジーは、それによって胆汁がうっ滞し引き起こされる症状と考えられています。

症状の特徴

胆道ジスキネジーは胆汁がうっ滞することによって次のような症状が現れます。

  • 食後の右季肋部痛
  • 右背部痛
  • 吐き気・嘔吐

また、重症化すると胆道や胆のうに炎症を引き起こし、高熱・悪寒・倦怠感・黄疸などの症状を引き起こす、さらに進行すると敗血症を合併することもあります。

胆道ジスキネジーの原因は?

胆道ジスキネジーは、自律神経バランスの異常によるものと考えられています。
ファーター乳頭の開閉は自律神経の働きによった調節されています。そのため、自律神経の働きに異常が生じるとファーター乳頭が十分に開かなくなってしまい、本来なら十二指腸へ排泄されるはずの胆汁がうっ滞してしまうのです。

自律神経のバランスはストレスや疲れ、過度な緊張、不安など様々な要因によって乱れることが知られていることから、胆道ジスキネジーは精神的な病気の一種とすることもあります。

胆道ジスキネジーは、どうやって治療するの?

胆道ジスキネジーを治療する際には、まず胆のうや肝臓に異常がないことを確認する必要があります。そのためには胆道造影検査・超音波検査・CT検査などが行われます。ほかに胆道と胆管への分泌状態を観察できる胆道シンチグラフィーという検査もあり、胆道ジスキネジーの検査に役立ちます。

胆道ジスキネジーには緊張亢進型・運動亢進型・緊張低下型の3種類があり、それぞれ治療法が異なっていますが、主な治療法は食事療法や薬物療法、精神療法などです。
緊張亢進型・運動亢進型の食事療法では、脂肪分の多い食事を控えて胆のうの収縮を抑える必要があります。緊張低下型はその反対に、脂肪分の多い食事を摂って胆のうの収縮を促すことになるでしょう。

おわりに:胆道ジスキネジーと思われる症状があれば、すぐに病院へ

食後の右上腹部の痛みの場合、胆石が疑われることが多いですが、胆道シンチグラフィーなどの専門的な検査の結果、胆道ジスキネジーと診断されることがあります。疑わしい症状が現れたら、まずは専門の医療機関で検査を受けましょう。

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