胆道ジスキネジーとは? 食後に右上腹部の痛みがある場合は注意

2017/12/1

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

「胆道ジスキネジー」という病気をご存知ですか?胆汁の排出異常によって起こる病気で、食後に右上腹部の痛みがある場合、胆道ジスキネジーの可能性があります。詳しい特徴や原因、治療法については以下をご覧ください。

胆道ジスキネジーとは?

胆道ジスキネジーとは、胆のうや胆管、肝臓などの臓器に炎症や胆石、癌といった異常がないにもかかわらず、右上腹部に痛みを感じるなど、胆石症に似た症状が現れる状態のことをいいます。発熱や吐き気、腹部の膨満感といった症状が現れる場合もあります。

人の体は食事などで摂取した食べ物を消化するために、肝臓で生成される胆汁が胆道から十二指腸へと送り出されています。この時、胆道内にあるファーター乳頭が開いて胆汁を送り出しています。ところがファーター乳頭が何らかの原因によって異常を起こすと、胆汁が排出されなかったり急速に排出されたりしてしまいます。胆道ジスキネジーは、それによって胆汁がうっ滞し引き起こされる症状と考えられています。

胆道ジスキネジーの特徴

胆道ジスキネジーの特徴は、右上腹部に感じる鈍痛にあります。主に食事をした後に見られる症状で、右背部に痛みを感じる場合もあります。吐き気や胸やけなどを感じることもありますし下痢になることもありますが、その頻度はあまり高くありません。

ただし、胆道ジスキネジーはあまり耳慣れない病気なので、食後に右上腹部に鈍痛などの症状が生じたら真っ先に疑われるのは胆石です。しかし精密検査を受けて胆のうや肝臓に異常がないことが判明したら、胆道ジスキネジーが疑われます。

ジスキネジーには運動異常という意味があり、胆道ジスキネジーは胆道運動異常症とも呼ばれています。胆道ジスキネジーは女性に多く見られる病気で、心理的な要因も影響していると考えられています。

胆道ジスキネジーの原因は?

胆道ジスキネジーを引き起こす原因は、胆汁の排出異常によるものです。胆汁は肝臓から分泌されているアルカリ性の液体で、一日に600mlほど分泌されています。脂肪分を消化する役割を担っており、食事をするタイミングで必要になります。胆汁は食事の度に十二指腸に送られているのですが、必要な時に十二指腸に送り込むために普段は胆のうに留められています。

しかし、この胆汁を排出するファーター乳頭が異常を起こすと、胆道ジスキネジーを発症します。ただ、どうしてファーター乳頭が異常を起こすのかははっきり分かっていません。いまのところは、胆汁の排出機能をコントロールしている自律神経やホルモンの働きの低下によって引き起こされると考えられています。

胆道ジスキネジーは、どうやって治療するの?

胆道ジスキネジーを治療する際には、まず胆のうや肝臓に異常がないことを確認する必要があります。そのためには胆道造影検査・超音波検査・CT検査などが行われます。ほかに胆道と胆管への分泌状態を観察できる胆道シンチグラフィーという検査もあり、胆道ジスキネジーの検査に役立ちます。

胆道ジスキネジーには緊張亢進型・運動亢進型・緊張低下型の3種類があり、それぞれ治療法が異なっていますが、主な治療法は食事療法や薬物療法、精神療法などです。緊張亢進型・運動亢進型の食事療法では、脂肪分の多い食事を控えて胆のうの収縮を抑える必要があります。緊張低下型はその反対に、脂肪分の多い食事を摂って胆のうの収縮を促すことが重要です。

おわりに:一般には認知度の低い胆道ジスキネジー。疑わしい症状があれば医療機関へ

食後の右上腹部の痛みの場合、胆石が疑われることが多いですが、胆道シンチグラフィーなどの専門的な検査の結果、胆道ジスキネジーと診断されることがあります。疑わしい症状が現れたら、まずは専門の医療機関で検査を受けることをおすすめします。

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