手湿疹で病院に行くべき症状と、間違いやすい病気について

2018/4/9 記事改定日: 2020/1/8
記事改定回数:1回

田中 美帆 先生

記事監修医師

メディアージュクリニック青山、皮膚科

田中 美帆 先生

日々の皿洗いや仕事でできることのある「手湿疹」。ただ、この手湿疹と間違えやすい皮膚の病気がいくつかあるのです。今回はそんな皮膚疾患の種類や特徴について、ご紹介していきます。

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手湿疹とは

手湿疹は、手の皮膚の表面のバリア機能が弱くなり、外からの刺激に対して敏感に反応してしまうことで起こる皮膚の病気です。
手先や手のひらの皮膚が赤くなり、次第に赤くなる範囲が広くなります。乾燥が強くなると皮膚のひび割れが起こり、痒みもでてきます。水疱ができて皮膚がめくれてしまうこともあります。

原因

手湿疹は次のような原因によって引き起こされます。

  • 手の乾燥
  • 長時間にわたる水仕事
  • 洗剤やシャンプーなどの化学物質が含まれるものの頻繁な使用
  • アレルギー
  • タイピング業務など手への慢性的な物理的刺激

上記であげた原因にさらされやすい主婦や美容師、調理師などが発症しやすいです。

病院に行ったほうがいい手湿疹は?

手湿疹は冬場を中心によく見られる症状の一つですが、悪化すると慢性的に湿疹ができやすくなることがあります。また、白癬などの他の病気が原因のことも少なくありません

手湿疹の多くは原因となる水仕事などを控え、ワセリンや尿素入りの保湿クリームなどでセルフケアを続ければ自然と改善します。
しかし、セルフケアを続けても中々改善しない、ひどいかゆみがある、湿疹が破れたりして膿んでいる、再発を繰り返している、などの場合には病院での治療が必要となることがあるので放置せずにできるだけ早く病院で相談しましょう。

手湿疹と間違いやすい病気があるって本当?

手に赤みが出たり水疱ができたり、肌がカサカサに乾燥したりするのが手湿疹の特徴ですが、同じような症状を持つ皮膚の病気は他にもあります。例えば、水虫の原因菌である白癬菌の感染でも同じような症状は起こります。

他には、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)という水ぶくれができる皮膚病や、アレルギー反応を起こした部位に赤みがでる接触性皮膚炎などがあります。また、異汗性湿疹も手湿疹と間違いやすいもののひとつです。
汗疱とも呼ばれ、汗の管が詰まって小さい水泡ができ、痒みが強烈です。

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)

掌蹠膿疱症とは、手のひらに小さな水ぶくれや、膿の溜まった膿疱ができます。皮膚が剥がれた状態になり、痛みやかゆみを伴うこともあります。また、手だけに症状が起きるのではなく、足の土踏まずやかかとの外側にも同じような発疹ができることもあります。原因ははっきりとはわかっていませんが、金属アレルギーや扁桃腺・鼻などへの細菌感染が関係していると考えられています。

手白癬(てはくせん)

手白癬(てはくせん)とは、水虫の原因菌である白癬菌が手に感染することで起こります。水虫は足にできるイメージが強いでしょうが、手のひらにできることもあります。手白癬ができると皮膚が厚くなり、白っぽくふやけます。痒みを伴うこともあります。

白癬菌に感染する原因は、濡れた状態が長く続くことで手白癬になりやすくなります。また自分の足や足の爪に水虫がある場合、そこから感染することもあります。家族に水虫の人がいる場合にもうつることがあるので注意しましょう。

おわりに:悪化する前に皮膚科で診てもらおう!

手荒れは日常的に良くあることなので放置しがちですが、その手荒れは皮膚の病気の可能性があります。特に手という部分は使わずに生活することが難しい部位で、日常的に手を使うことでなかなか治りにくい側面があります。手湿疹が長く続く場合は「ただの手荒れ」と自己判断せず、悪化する前に早めに皮膚科を受診することが大切です。

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