ペルテス病とは? ~ 子供の股関節の病気のひとつ ~

2017/12/5

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

子供の発症率が高い股関節疾患のひとつに「ペルテス病」があります。今回の記事ではこのペルテス病について、発症の原因や症状、治療法など全般的な情報をお伝えしていきます。

ペルテス病はどんな病気なの?

ペルテス病は大腿骨骨頭が一時的に壊死してしまう病気です。

大腿骨は太ももの中軸と言うべき骨であり、長く太い棒のような形状をしています。股から膝の間を構成している骨でもあり、また人間の体の中でも最も長く体積があり、かつ強靭な骨でもあります。このことから人間の下半身、また下半身が関わる動きに深く関係している骨だと言うことができます。そして大腿骨骨頭と言うのは、この大腿骨の先端に該当する部分のことです。ペルテス病はこの部分が壊死してしまう病気ですから、治療が遅れると下半身の機能、ひいては全身の動作に大きな影響が出てくる恐れもあります。

ペルテス病の大きな特徴は、3~13歳くらいの幼い子供が発症すると言う点です。女児よりも男児の発症率が高く、特に5~8歳くらいの年齢層に多く発症する傾向があります。

ペルテス病はどのように発症するの?

ペルテス病発症の原因は、現状では明らかにされていません。ただ、大腿骨骨頭が壊死する病気であることから、そこに対する栄養供給量の減少や、血流の滞りが原因ではないかと考えられています。

そもそも全身の細胞は、血液に含まれている酸素や栄養をエネルギー源として機能を果たしていますが、これは骨にも該当することです。酸素や栄養を運ぶためには血流がスムーズであることが必要ですが、何らかの理由で血流が滞り、骨細胞に供給される栄養も低下してしまうことが、ペルテス病を発症するメカニズムといわれています。なお、血流が滞る原因として、繰り返される外傷やもともとの血行不良、受動喫煙などの外的要因が考えられていますが、これもはっきりとしたことはわかっていません。

症状や起こりうる後遺症について

ペルテス病の代表的な症状としては跛行が挙げられます。これは足を引きずるようにして歩くことです。大腿骨骨頭の壊死が進行していくことで太ももや股に強い痛みを感じるため、足をしっかりと上げて歩くのが難しくなってしまうためにこのような歩き方が出てきます。

特に幼い子供の場合、痛みを大人に伝えるのが難しいため、このような症状が出てきたとしても見逃してしまうことも少なくありません。ただ、その間にも大腿骨骨頭の壊死は進行していきます。そのため発見・治療が遅れると、壊死して弱った大腿骨骨頭が潰れて変形し、装具を装着しても歩行が困難になってしまう恐れもあります。

どんな治療法があるの?

骨には再生能力が備わっています。そのためペルテス病の治療に関してもその再生力を第一としたうえで、壊死が発生している大腿骨骨頭を整えていくことが主となっています。代表的な治療法としてはまず初期の段階では、股関節の癒着を防ぐための牽引治療が行われます。これは両足に重りをつけ引っぱられた状態で過ごす治療法です。

次に壊死が起こっており、その部分の骨頭が元の状態に再生されるまでの間には装具療法が選択されます。これはいわば保存療法であり、装具を装着することで患者さんの動きをサポートすると共に、大腿骨骨頭にかかる負担を軽減する意味合いがあります。

そして壊死の進行がかなり進んでいる、また骨頭が潰れ変形している、装具装着による状況の改善が難しいと判断された場合には手術療法が選択されることもあります。

おわりに:幼児の発症率の高いペルテス病。歩行困難など異変がみられたらすぐ病院へ

まだ小さいお子さんに歩行困難などの症状がみられたら、ペルテス病の可能性が考えられます。壊死状態が進行してしまうと、装具をつけても歩行が難しくなってしまう恐れがあるので、異変がみられたらすぐに病院へ連れていくことが肝心です。

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