出血が続く場合は要注意! 白血球や血小板に異常が起きているかも

2017/12/7

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

通常、軽いケガであれば放置していても自然に血が止まっていきます。しかし、人間が持つ止血のサイクルに何らかの異常が起こると出血が止まらなくなってしまうことがあるのです。この記事では、止血のメカニズムと出血が続く原因となる病気について解説しています。

出血が自然に止まるしくみとは?

血管が破れると、まず血液細胞の血小板が傷口の血管壁に付着して凝集し(血小板プラグ)、血管の収縮を助けて血流を低下させます。これを1次止血とよびます。
しかし血小板だけの止血は脆弱なため、十分ではありません。そこで、血小板や破れた組織からトロンボプラスチンが放出され、これを皮切りに12種類の凝固因子が次々に反応し、最後に細長い線維状の分子であるフィブリンが集まって網目構造をつくり、そこに赤血球が絡まるようにして凝血塊ができます(フィブリン血栓)。これを2次止血とよび、血液が固まるまでの時間は通常約10分以内とされます。

出血が止まらなくなる原因は?

上述したとおり、止血のしくみは、血管破綻という引き金により血液凝固因子がドミノ倒しのように連鎖反応を起こし、次々と活性化されていくものです(カスケード(瀑布)反応)。したがって、途中で1つの因子が欠けただけでもストップし、出血が止まらなくなるおそれがあります。血液凝固因子に問題があることが原因になる病気として、後述する血友病が挙げられます。

また1次止血の段階で止血作用が機能しないことも考えられます。この原因として血小板の欠乏が挙げられます。1次止血の段階での問題が原因になる病気の代表例が、白血病、特発性血小板減少性紫斑病などです。

隠れている可能性のある病気について

上記で触れた出血が止まらなくなる原因として疑われる病気について、下記で解説します。

白血病

骨髄で正常な血液をつくることができなくなり、止血作用を持つ血小板が減少する疾患です。血が止まりにくくなり、鼻や歯ぐきからの出血やアザの発生と併せ、赤血球減少のため極度の貧血状態に陥りやすくなります。また、白血球も減少して免疫力が低下するので、風邪などのウイルスや細菌に感染しやすくなります。

特発性血小板減少性紫斑病(ITP)

血小板が減少するために出血しやすく止血されにくくなり(血小板数が10万/μL未満に減少した場合、この病気が疑われます)、併せて点状や斑状の内出血が多発する疾患です。鼻血や歯ぐきからの出血、さらには消化器からの出血による血尿や血便、生理時の経血増加などが典型的な症状です。血小板減少の理由は、血小板に対する自己抗体ができ、この自己抗体により脾臓で血小板が破壊されるためと推定されていますが、明確な理由は解明されていません。

血友病

血液凝固因子(第8因子または第9因子)の機能が生まれつき低下しているために止血されにくくなる遺伝性の疾患です。発病するのは男性で、女性は保因者として血友病の遺伝子を子孫に伝えます。血友病の出血は、外傷のほか、手足の関節内や筋肉内など体の深部で起きるのが特徴です。抜歯時や手術時は止血が難しくなります。

シェーンライン‐ヘノッホ紫斑病(アレルギー性紫斑病)

細菌・ウイルス感染、薬剤、妊娠、悪性腫瘍などが誘因となり、炎症を起こした血管からの出血によりアザや点状の内出血があらわれる血管炎で、小児によくみられます。また、腸や腎臓の血管で出血すると、腹痛や嘔吐と共に、血尿や血便がみられるケースがあります。血小板数、血液凝固検査は正常で出血時間も多くは正常範囲ですが、時に正常範囲を超えてしまうことがあります。

おわりに:出血と同時に気になる症状があるときは、病院で診てもらおう!

出血を止めるには、血液細胞である血小板と、すべての血液凝固因子が正常に機能していることが必要です。なかなか止まらない鼻血、極度の貧血、内出血を伴う関節の腫れなどが続くときは、白血球や血小板に異常が生じている疾患が疑われます。放置しておくと深刻化するおそれがあるため、軽視することなく、血液内科の診察を早めに受けましょう。

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