顎関節症を放置するリスクについて。治療しないとどうなるの?

2017/12/11

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

口を開けようとすると痛みが生じたり、カクッという音が鳴ったりする「顎関節症」。この顎関節症を治療しないまま放置していると、どんなリスクが出てくるのでしょうか?

顎関節症について

顎関節症とは顎の関節やその周辺に何らかの原因によって痛みが発生したり、顎が上手く動かせなくなることをいいます。顎関節症の症状には、食べ物を噛むときに顎が痛くなったり、口が開けにくくなってしまうといった症状があります。口を開けたり閉じたりする時に、カックンという音がなることもあります。また、顎が外れてしまうようなケースも見られます。

顎関節症の症状は個人差が大きいのが特徴で、少し顎に違和感を感じるだけという人もいれば顎を開ける度にひどく痛むといった症状の重い人もいます。人によっては顎だけではなく、肩こりが発生したり腕や指がしびれるといった症状が出ることもあります。また、片頭痛の原因になることもあります。

顎関節症の発症原因とは

顎関節症には様々な原因が考えられますが、上下の噛み合わせのバランスが悪くなることが一番大きな原因と言われています。噛み合わせのバランスが悪くなる原因としては、精神的なストレスや、夜に眠っている間の歯ぎしり、猫背などの姿勢の悪さ、硬いものを噛むなどの顎の酷使が挙げられます。

ほかには、いつも片側だけで食べ物を噛んでいるといったことも、噛み合わせを悪くする原因になります。また、スポーツをしている時に、歯をくいしばったというようなことも原因になることがあります。

顎関節症を放置するとどうなるの?

顎関節症をそのまま放置していても、自然に改善するケースもあります。しかし、悪化して重症化してしまうケースもあるので、自己判断で大丈夫と思ってしまうのは危険です。

顎関節症が重症化すると、筋肉の緊張が肩や首などにも広がってしまうことがあります。肩や首が常に凝っている状態で、マッサージをしても緊張がほぐれないといったケースも多く発生します。肩こりや首こりと一緒に頭痛が発生することも少なくありません。

それから顎関節症を放置しておくと、自律神経にも影響を及ぼしてしまうことがあります。自律神経のバランスが乱れると、気分が落ち込みやすくなったり、体に慢性的なだるさを感じるといった自律神経失調症の症状が現れやすくなります。

顎関節症だと診断されたら早めに対処しよう

顎関節症と診断されたら、早めに対処することが必要になります。顎関節症の治療法には、原因となっている生活習慣やクセを取り除く認知行動療法や、痛みが起きているところを温めたり冷やしたりして痛みを緩和する物理療法などがあります。また、マウスピースなどを使用して顎関節や筋肉にかかる負担を減らす方法もあります。炎症を抑える薬や筋肉の緊張を緩める薬を服用する薬物療法などもあり、場合によっては抗うつ薬や入眠剤なども使われます。

なお、顎関節症の発症には生活習慣が関係していることが多いので、家庭でセルフケアを行うことも重要です。具体的には、日頃から歯をくいしばらないように気を付けたり、顎の筋肉のマッサージをして血流を良くしたりといったことを心がけるといいでしょう。

おわりに:顎関節症が肩こりや頭痛を引き起こすことも

顎関節症を放置すると、顎の痛みだけでなく、肩こりや頭痛などの全身症状を引き起こす恐れがあります。顎関節症に対しては、症状や原因に沿ったさまざまな治療法があるので、診断を受けたら早めに治療を始めることをおすすめします。

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