悪性リンパ腫の種類と考えられる発症原因とは?

2017/12/12

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

悪性リンパ腫とはリンパ球ががん化した血液のがんのことであり、その種類は70種以上あるとされています。この記事では、悪性リンパ腫の種類と発症原因のことをわかりやすくまとめています。また、早期治療の重要性についても触れているので参考にしてください。

悪性リンパ腫はどんな病気?

「悪性リンパ腫」は血液のがんで、免疫機能を担っている白血球のうちの「リンパ球」ががん化したものです。リンパ系の組織は全身にあるため、体のどこにでも発症する可能性がありますが、多くの場合、首や腋の下、足の付け根などリンパ節の集まったところに、痛みのないしこりとしてあらわれます。
数週か数ヶ月で大きくなっていき病状が進むとしこりや腫れが全身に広がり、発熱、体重の減少、大量の寝汗などの全身的な症状がみられるようになります。内臓にしこりや潰瘍、腫れができたり、体のかゆみや皮ふの発疹、腫れなどの圧迫による気道閉そくや血流障害、まひなどの症状があらわれることもあります。

悪性リンパ腫の種類について

がん細胞の形態や性質によって70種類以上に分類されていますが、大きくは「ホジキン病(ホジキンリンパ腫)」と「非ホジキンリンパ腫」の2つに分けられます。
ホジキン病は、日本では少ない悪性度が低いものです。ホジキン細胞という特徴的な細胞がみられ、さらに数種類に分類されています。
それ以外が非ホジキンリンパ腫で、数十種類に細かく分類されています。特に多いのが、進行が遅く治療法の進歩で回復も可能になってきている「ろ胞性リンパ腫」と、さまざまなタイプがありそれにより治療法も変わる「びまん性大細胞性リンパ腫」の2つです。
診療では進行の速度をもとに悪性度からも分類されています。

悪性リンパ腫ができる原因とは?

原因はいまだはっきりとは解明されていません。細胞内の遺伝子に突然変異が起きてがん遺伝子となって発症すると考えられており、免疫不全の人に多いことが知られています。
胃潰瘍の原因となるピロリ菌やC型肝炎ウイルスなど、ウイルスや細菌の感染が関係するとも、遺伝子の変異や染色体の異常から遺伝性があるともいわれています。また、特定の化学物質や放射線の影響も考えられ、明確に何かひとつが原因と断定することができません。
また、細菌やウイルス、化学物質がリンパにダメージを与えることでがん細胞が生まれ、それを免疫が処理しきれなくなると「がん」になるのではないかとも考えられています。

診断後は早めの治療が大切

ホジキン病は比較的悪性度は低く、病状の進んだ場合を除いて強い治療は不要で、適切な治療で7~8割の人は治るといわれています。また日本では9割を占めるとされる非ホジキンリンパ腫は、進行の速さによって「低悪性度」「中悪性度」「高悪性度」に分けられています。腫れが少なく進行がゆっくりであれば経過観察も可能ですが、週~月単位で進行する中悪性度では診断時点で治療が必要となり、日~週単位で急速に進行する高悪性度では緊急入院と強力な化学療法が必要です。
種類や病気の広がりによって治療方法は変わりますが、進行すると骨や脳にまで転移するだけでなく「白血病」に移行することもあるため、早期に治療を開始することが重要になってきます。

おわりに:早期の治療で回復も。気になる症状があれば早めに専門医に相談しましょう

悪性リンパ腫は、種類や進行の程度によって回復可能性や治療方法が変わり、早めの診断と適切な治療がその後に大きく影響します。定期的にがん検診を受けるとともに、気になる症状があれば早めに専門医に相談するようにしましょう。

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