記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/1/5
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
自分の体内でインスリンを分泌できないために発症する「1型糖尿病」ですが、1型糖尿病のインスリン治療は、ストレスを受けることで効果が下がるという話が…。果たしてこれは本当なのでしょうか?
糖尿病は大きく分けて2つに分類されています。ひとつは、遺伝性や体質、生活習慣の乱れによって引き起こされる「2型糖尿病」、もう1つは、小児に発症することが多いことから小児糖尿病とも言われる「1型糖尿病」です。
1型糖尿病は生活習慣に起因するものではなく、何らかの要因によって膵臓が攻撃を受け、インスリンを分泌する細胞を破壊することで発症します。1型糖尿病患者は自己インスリンを分泌することができないため、体外からインスリンを注入して生活を送る必要があります。原因は未だに明確にされておらず、治療を続けていかなければいけないため、患者への負担は相当と言えるでしょう。
1型糖尿病の治療法は、インスリンを体外から注入する治療がメインです。もちろん運動療法や食事療法なども取り入れられていますが、基本的にインスリン注射を自分で接種して生活していきます。また、食事の前には血糖値の測定をしなければなりません。1型糖尿病で一番ストレスを感じるのは、この血糖値のコントロールと言えるでしょう。食事に合わせたインスリンを注射していく生活になりますので負担は大きいようです。
1型糖尿病はインスリンを自分で分泌することができない為、インスリン注射をメインとした治療を行っていきます。インスリン注射は、食前血糖値と食事量によって注入単位を決め、接種していきます。しかし、1型糖尿病の患者さんは強いストレスを感じると血糖値の上昇が起きてしまい、インスリン注射をいつも通り接種しても血糖値が下がりにくい状態になることもあります。また逆に、緊張などのストレスでは血糖値が急激に下がってしまい、低血糖を起こす可能性もあるのです。
1型糖尿病の患者さんは治療のために、健康的な生活と運動、さらに血糖コントロールを行っていく必要があります。しかし、ストレスはそのコントロールに影響を与えやすいことがわかっていますので、適度に発散していく必要があるのです。
子供の頃は成長期でもあるので極端な食事制限は必要としませんが、コントロールの為に我慢することもあるでしょう。たまにはご褒美として好きなものを食べたり、楽しいレジャーに行ったりなどストレスを発散させてあげることが大切です。また、1型糖尿病の子供を集めたサマーキャンプに参加するのもストレス発散になりますので、ぜひ参加してみましょう。子供の治療を行っている保護者の方も、ストレスを溜めない工夫が大切です。
過度のストレスは血糖値の上昇や急降下の要因と考えられています。そのため、1型糖尿病の患者さんは、日頃からストレスをあまり溜めすぎないよう適度に息抜きをすることも、治療効果を上げるために大切です。