大人の学習障害の特徴とは!?仕事はどうすればいい?

2017/12/26 記事改定日: 2018/6/20
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山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

学習障害とは、読んだり書いたり計算するなど能力のなかの一部に支障が出てしまう障害です。他の能力に遅れがないことがほとんどのため、見過ごされそのまま大人に成長してしまう人も少なくないといわれています。この記事では、大人の学習障害について解説しています。

学習障害になるとどんな症状がでるの?

学習障害とは、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」という5つの能力のうち一部に支障をきたすことであり、読むことが困難な読字障害、書くことが困難な書字表出障害、算数や推論が困難な算数障害の3つに分けることができます。
「読む能力はあっても書くことができない」などある特定の分野に偏りが見られるのが特徴です。1つの科目だけが理解できないなどの症状も現れますが、知的発達に大きな遅れがあるわけではありません。

大人の学習障害の特徴とは?

子供の学習障害は、学校の勉強についていけなくなるなどの問題を抱えることになりますが、学習障害の子供が成人して大人として働き出すようになると、ミスを頻発するなどのトラブルが原因で、業務をうまく進められなくなることがあります。
また、指示の理解ができなかったり、決まった作業だけがうまく進まないなどの問題に悩まされることもあるでしょう。

学習障害の人は一部の能力に問題が起こる特徴があるため、他の作業はほとんど問題なくできてしまう傾向があります。そのため、同僚や上司からの理解を得ることが難しく、精神的にも追い込まれてしまうようになります。

大人になってから学習障害だと気づく理由は?

学習障害の症状の出方には個人差があるため、はっきりした学習障害の特徴が現れなかったり、学習障害について理解が乏しい場合は、担任の教師や両親も見過ごしてしまう可能性があります。勉強が苦手なだけと勘違いされてしまい、大人になるまで必要な支援を受けることができずに過ごしてきたという人も少なくないかもしれません。

マニュアルを読んでも作業の手順が理解できなかったり、情報の抜けや漏れが多かったり、黙読できなかったり、音読がスムーズにできないなどの特徴がある人は、学習障害が隠れている可能性があります。また、メモを取るのが苦手だったり、言われたことをその場で理解できないなどの特徴も、学習障害の症状のひとつとして現れている可能性があります。
職場にこのような人がいる場合や、自分自身がこのようなことで悩んでいるのならば、一度専門の医療機関に相談してみることをおすすめします。

セルフチェックしてみよう!

発達障害は知的な障害がないため、周囲からは「変わった人」や「能力の低い人」などというレッテルを貼られてしまうこともあります。
しかし、学習障害はれっきとした病気であり、適切な治療や対策を行えば長らく悩んでいた「生きづらさ」から解放されることもあります。
次の項目多くあてはまる場合には学習障害の可能性がありますので、思い当たる場合は適切な医療機関を受診して相談してみましょう。

  • 会議中や事業中にメモを取ることができない
  • 金銭管理ができない
  • 同じ失敗を繰り返し、周囲から批判されることがある
  • 文章の「てにをは」のミスを指摘されることが多い
  • 集団生活の中で他者と円滑にコミュニケーションがとれない
  • 重要連絡事項の読み落としなど、ミスすることが多い
  • マニュアルや説明書を読んでも理解できない

仕事・職場選びのポイント

自分が任された業務をきちんと行うことができれば、仕事については特に問題はないといえるでしょう。無理に苦手な分野に手をつける必要はなく、苦手が作業がない担当業務や職場を選ぶようにしてください。
また、学習障害の人が仕事する場合は、作業の一部で他の人とは異なる手順が必要になることもあります。それらに対して適切な対応を取ってもらえるか、前向きに対応してもらえるような体制が整っている職場を選ぶことも重要です。

学習障害の大人が利用できる支援サービス

学習障害を持つ大人が、医療や生活、就労に関する支援を受けられる公的なサービスがいくつかあります。
ご自身に合ったものをうまく利用することで、より「生きやすい」生活を目指しましょう。

① 障害者支援センター
医療や福祉、労働などといった患者を取り巻く生活全般を様々な機関と連携して円滑に行えるように支援する機関です。
家族の相談にも応じることができ、困ったことを相談するとよいアドバイスや関係機関との連携を取って解決に導いてくれるでしょう。
② ハローワーク
ハローワークには障害者向けの就職を紹介するサービスがあり、無理のない仕事を選ぶことができます。
③ 障害者就職支援センター
障害者が就業をして生活を営んでいけるように、専門の講師を招いての職業訓練や、就職後の集団生活の訓練などを行う機関です。また、習得した職業技能を生かした就職先を紹介してくれることもあります。

おわりに:学習障害の人は自身の苦手分野を把握し、理解ある職場を探すようにしよう

学習障害は一部の能力に問題が起こる障害であり、その他の能力には支障がありません。そのため、苦手な分野がないような職場であれば他の人と同じように仕事をすることができます。ただし、場合によっては特別な作業工程が必要になる場合もあるので、このような特別な対応ができる体制が整っている、支援サービスを利用しながら大人の学習障害に理解がある職場を選ぶようにしましょう。

この記事に含まれるキーワード

学習障害 うつ病 社会不安障害 読字障害 書字表出障害