ばね指の手術と術後のリハビリについて知ろう!

2018/1/5

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

ばね指とは、腱鞘(腱が通っているトンネル状の組織のこと)や腱が炎症を起こすことで発症します。基本的には保存療法で治療しますが、症状がひどいときには手術が必要になることがあります。この記事では、ばね指の手術とリハビリの重要性について解説しています。

ばね指とは?

何かをつかんだり開けたりするときに指を曲げ伸ばしできるのは、「筋肉」と「腱」があるためです。物をつかみあげるために働く筋肉は前腕(肘から下部の腕)にあり、腱が筋肉の力を指に伝達してくれます。その力が伝わる過程で、屈筋腱(指を曲げるときに働く腱)が浮き上がらないように抑えてくれるのが靭帯性腱鞘になります。

ばね指は、この靭帯性腱鞘に継続的に強い力がかかり、炎症が起こることで発症します。腱や腱鞘が「腱鞘炎」を起こし、症状が進行すると腱が腱鞘を通るときに引っかかりを生じるようになります。指が戻るとき引っかかり、ばねのように弾けるような動きをみせることを「ばね指」といいます。
ばね指は親指や中指、薬指の先端から二つ目の関節に多く見られますが、どの指にも起こる可能性があります。

手術が必要なのはどんな場合?

ばね指の症状の原因は、指の付け根の屈筋腱と靭帯性腱鞘の間で起こっている炎症です。腱鞘炎となります。
朝起きたときに症状が強く現れ、日中使っていると症状が軽くなるという特徴があります。ばね指が進行するにつれてひっかかりが強くなり、最終的には指が動かなくなってしまうこともあります。

治療は、局所固定や腱鞘内へのステロイド注射など保存療法が中心です。ただし、保存治療では症状が改善できないと判断された場合や再発を繰り返す場合には、靭帯腱鞘を開く手術を行うことがあります。また、ステロイド治療による組織の萎縮を防ぐために手術が選択されることもあります。

手術の手順について

ばね指の手術は局所麻酔下で行います。

① ばね指を起こしている指の腱鞘の直上の皮膚を約1cm斜めに切開
② 切開した部分から腱鞘を引き出し露出させ、状態を直接目で確認。
③ 状態を把握しながら、両脇の動脈や神経を傷付けないように腱鞘を指先に向かって切開
④ 切開した腱鞘の中枢を観察しながら手掌腱膜や隔壁も切開
⑤ 腱を引きだして指の動きを確認し傷を縫い合わせて終了

手術後の1週間から10日ほどで抜糸することができます。

おわりに:術後のリハビリは欠かさずに行うことが大切

手術が成功しても、指を曲げ伸ばししたときなど、動かしたときの痛みはしばらく続きます。また、ばね指の状態を長く放置していると、ばね指になった指以外の指の動きが制限されているケースも少なくありません。このような痛みや可動制限を改善するためには、適切なリハビリが重要になってきます。

手術の翌日からリハビリ可能なことが多いので、医師の許可をもらった段階で、可動域を広げるために腱や筋肉を動かすリハビリを行いましょう。ただし、間違ったリハビリを行うと症状が悪化してしまう可能性があります。必ず医師や理学療法士の指導のもと行ってください。

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