夜尿症の改善に効果がある処方薬と漢方薬とは?

2018/1/22

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

夜尿症とは夜寝ているときに尿をしてしまうことであり、寝ているときに作られる尿の量と膀胱の容積がつりあわないことで起こるといわれています。発症の原因はいくつかありますが、薬での治療が有効なことも多いようです。この記事では、夜尿症の治療で使われる処方薬と漢方薬について解説しています。

夜尿症とは?

寝ているとき、知らず知らずのうちに尿を漏らしてしまうことを「おねしょ」や「夜尿」といいます。夜眠っている間に作られる尿量と、尿を溜める膀胱の大きさとのバランスがとれていないために起こるもので、幼児に起きるものを「おねしょ」、小学校入学以後に起きるものを「夜尿症」と呼びます。

赤ちゃんのうちはまだ膀胱が小さく、昼夜関係なく尿が作られているため、昼も夜も同じ感覚で排尿します。その後年齢が上がるにつれて膀胱に溜められる尿量が増え、徐々におねしょは少なくなります。小学校入学時にもおねしょが残っている子供は10〜15%とされ、この年齢以上でも夜尿が続く場合は生活指導や薬による治療などが必要といわれています。

治療に使われる薬剤:処方薬

 

夜尿症の治療には、次のような処方薬が用いられます。

抗利尿ホルモン薬

子供の夜尿症によく用いられる薬です。腎臓での水の再吸収を促進することで尿を濃縮して尿量を減少させる作用があります。夜間の抗利尿ホルモン分泌能力が未発達なために尿が濃くならず、うすい尿がたまってしまうタイプの夜尿症にt効果が期待できます。

三環系抗うつ薬

うつ病の薬ではありますが、子供の夜尿症にも古くから用いられています。膀胱の運動をおさえたり、尿道の閉まりをよくすることで尿漏れを防ぎ、尿意による目覚めをよくする作用や抗利尿ホルモンの分泌促進作用なども持ち合わせています。

抗コリン薬

大人用の頻尿治療薬ですが、夜尿症に応用されることがあります。抗コリン作用にもとづき、膀胱を収縮させる働きを担う副交感神経を抑制します。尿を溜めやすくなり、膀胱のむやみな収縮を抑える効果が期待できます。

治療に使われる薬剤:漢方薬

治療においては、次のような漢方薬が用いられる場合もあります。

・小建中湯(しょうけんちゅうとう)

元気のない子供、頻繁に腹痛を起こすとき、下痢や便秘をしやすいときなどに用いられます。

・桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)

夜泣きのある子供や神経質になっている場合、虚弱で冷えやすい場合に使われます。

・六味丸(ろくみがん)

虚弱な子供、発達が遅れ気味の子供、尿が濃く量が少ない場合に用いられます。

漢方薬は体質や病状によって効き目に個人差があることを忘れずに

漢方薬は、夜尿症の原因となっている体質の改善を目指すものですが、1つの薬が万能に効くわけではありません。漢方を試しても効果がないケースも聞かれますが、それはその漢方薬が体質に合っていなかったのだと考えられます。漢方薬を使う場合には、自分の体質や症状にあったものを選びましょう。
また漢方薬は、ある程度期間をかけてじっくりと原因を改善する性質のため、即効性があるものではないことを理解しておくことが大切です。

おわりに:処方薬や漢方薬は、症状・体質に合わせて使おう

夜尿症に有効とされる処方薬、漢方薬は複数あります。症状、体質に合った薬できちんと改善できるよう、病院や漢方薬局で相談してみましょう。

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