記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/4/26
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
小学校以降でも続くおねしょのことを夜尿症と呼びます。夜尿症はいくつかの種類に分けられ、それぞれで治療方法が異なってきます。この記事では、夜尿症の治療法をタイプ別に分けて紹介していきます。
夜尿症とは、寝ているとき、知らず知らずのうちに尿を漏らしてしまう症状のことです。夜眠っている間に作られる尿量と、尿を溜める膀胱の大きさとのバランスがとれていないために起こります。5歳前後までの子供の夜尿はおねしょと呼び、小学校入学以後になっても続くものを夜尿症と呼びます。夜尿症の場合は、積極的な生活指導や薬剤による治療などの対策が必要です。
夜尿症は、夜間睡眠中の尿量と膀胱容量のバランスという面から、以下4つのタイプに分類されます。
多尿型の大部分は、夜間睡眠中に抗利尿ホルモン分泌が不足し、尿を濃くする力が不十分になってしまうことで薄い尿がたくさんできてしまうのが原因といわれています。その他にも、塩分を過剰に摂ることで睡眠中に尿量が増えてしまうことが原因になることもあるようです。
もともと膀胱容量が少ないため、少しの尿量で膀胱が尿意が起こってしまうものが膀胱型の夜尿症です。膀胱容量が昼、夜ともに少ないケースと、夜間睡眠中だけ少ないケースが半々の割合で存在するといわれています。
多尿型と膀胱型の両者の要因を持っているものです。治療に時間がかかることが多く、比較的低年齢の子供に多く見られます。
夜間尿量、膀胱の溜めとも年齢相応なものです。多くは夜尿の自立が近い状態で、夜尿の程度も軽く、早い時期に自立する可能性が高いといわれています。
具体的な生活指導や治療法は、前述のタイプによって異なります。
多尿のある「多尿型」「混合型」の場合は、食事・水分の摂り方を見直し、夜間尿量を減らすことが改善につながると考えられています。また、膀胱の溜めが悪い「膀胱型」「混合型」の場合には、排尿をなるべく我慢する習慣をつけることが必要です。改善が見られない場合は、薬剤治療やアラーム療法を行います。
抗利尿ホルモン剤、三環系抗うつ剤、副交感神経遮断剤などが主に用いられます。
下着にセンサーをつけておき、夜尿があったときにアラームを鳴らします。夜るに排尿をしたとたんに目覚めさせると、睡眠中の尿の保持力が増え、朝まで保持できるようになることを目指して治療が続けられます。
夜尿の治癒には時間がかかります。治療では、夜尿の日数だけでなく時間帯や季節性も考慮に入れながら、改善方向に向かっていること自体を評価し、根気強く継続することが大切です。
子供の場合、夜尿は自然経過で1~2年後には約15%、2~3年後には約30%前後が治癒するとされ、治療を行えば1~2年目で治癒するものは約50%、2~3年目で治癒するものが約70%といわれています。
夜尿症の治療方法は、タイプによって異なります。治癒するまでには時間がかかるため、専門医と相談しながら自分にあった治療を見つけるように心がけ、根気強く続けていきましょう。