もやもや病にはどんな治療法があるの?

2018/4/27

もやもや病とは、何らかの原因で内頚動脈が狭くなってしまうことで起こる病気です。脳細胞の栄養不足によって様々な症状が現れます。この記事では、もやもや病の治療法について詳しく解説していきます。

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もやもや病とは?

もやもや病は内頚動脈という脳へつながる大きな血管の分岐部が何らかの原因で通常よりも細くなってしまうことで、血流が十分に行き届かなくなり、その先の細胞への血流不足が起こる病気です。
手足のしびれや一時的な麻痺、言葉が話しにくくなるという言語障害を起こし、小児の頃に発症した場合には食べ物を冷まそうとしてふーふーと息を吹きかけるときやハーモニカを吹いたときなどに症状が現れることがあります。

また、もやもや病を発症すると、血流を補うために太い血管から新しく枝分かれして細い血管を作ります。この血管は正常な血管のように整然と並んでいません。まるでモヤモヤと煙のようなシルエットをしていることから「もやもや病」と名づけられたといわれています。
この新しい血管は豊富な血流に耐えるだけの強度をもっていないため、血流をよくしようと多量の血液が流れ込んでしまうと破れて出血を起こしてしまうことがあります。

発症原因はまだ分かっておらず、ある特殊な遺伝子を持っている人が発症しやすいということだけがわかっています。

もやもや病治療のための生活指導、内科治療について

もやもや病は原因不明の病気ですが、発作が起きる原因となっている行為を避けることで発作を予防できるといわれています。
特に小児の場合は、息を何度も吹く動作や大きな声で泣き続ける動作がきっかけで発作が誘引されるため、こういった行為をなるべく起こさないように見守ってあげることが大切です。

内科治療としては脳梗塞のリスクがあると判断された場合に、抗血小板薬を服用で血管が詰まるのことを防ぎ発症を予防します。また抗血小板薬の服用には、血液が固まりにくくなることで細くなっている血管の先まで血液が届きやすくなるという効果も期待できます。
その他、高血圧の人は血管から出血を起こす危険が高くなるので降圧剤を服用が検討されます。

血行再建術(外科的療法)について

もやもや病では、主に血行再建術という外科的療法が行われます。血行再建術には直接的血行再建術と間接的血行再建術があり、直接的血行再建術のことを浅側頭動脈-中大脳動脈吻合術と呼ぶこともあります。これは浅側頭動脈という頭の皮膚に栄養を送っている動脈と、脳の表面にある動脈を手術によってつなぐ方法です。

もうひとつの間接的血行再建術は硬膜や側頭筋、浅側頭動脈などの血管を脳に接着していく方法です。これはもやもや病の人は血管が新たに作られやすいという性質を利用したものであり、広い範囲の脳の血流改善が望める反面、回復に時間がかかるというデメリットもあります。

おわりに:治療法は病状とメリット・デメリットをよく考えて決めよう

もやもや病の治療法はいくつかの方法がありますが、病気の原因である新しくできた血管を直接治すことはできません。
治療法にはそれぞれのメリットとデメリットが存在します。内服薬での治療は負担は少ないのですが、血が止まりにくくなるという副作用が起こることがあります。外科的治療は、成功したときの効果は大きいのですが、頭の手術には体への負担と大きなリスクを伴います。生活指導はリスクがすくないですが、重度のもやもや病の場合は適応できません。

もやもや病の症状の出方には個人差があり、個々に合った治療法を考えていく必要があります。担当医と相談しながら納得がいく治療法を選択しましょう。

難病情報センター の情報をもとに編集して作成 】

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