記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/1/11 記事改定日: 2020/1/9
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
智歯周囲炎とは、いわゆる親知らずの周囲の歯茎の炎症のことです。親知らずに残った汚れに細菌が繁殖したり、親知らずの生え方が原因で起こることがあります。
この記事では智歯周囲炎の応急処置について解説しています。
医学的には親知らずのことを「智歯(ちし)」と呼びます。
親知らずは、一番奥にある歯であり、斜めに生えてしまうことも多いです。磨きにくいため食べかすなどの汚れが残りやすく、親知らずが斜めに生えていたり、歯茎に埋まった状態で生えていると、親知らずの周囲の歯茎に炎症が起こりやすくなります。
このような親知らず周りの炎症を「智歯周囲炎」と呼びます。
代表的な症状は
などです。また、智歯周囲炎の影響で顎の噛み合わせのズレたり、口の開けたり閉めたりの動作がうまくいかなくなることがあります。
まだ症状が軽度であったり、すぐに歯科を受診することができない場合は、自宅での対処が大切です。具体的な対処方法は、下記の5点です。
炎症の主な原因は細菌です。丁寧な歯みがきで口腔内を清潔に保ちましょう。痛みで歯ブラシを当てられないときは、うがい薬などで消毒してもいいでしょう。
免疫力が低下していると、炎症が起こりやすくなります。睡眠不足やストレス、偏食は、免疫力低下の原因です。
日常的に睡眠不足やストレスの解消に努め、バランスよく栄養を摂り、身体の抵抗力を高めましょう。
痛みが長く続いたときや強い痛みを感じた場合は、市販の痛み止め薬の服用で改善が期待できます。ただし、あくまでも一時的な応急処置です。なるべく早めに歯科医に診てもらいましょう。
患部を冷やすと痛みや腫れが軽減します。腫れに対して特に効果的です。
口腔内の炎症の為に、食欲低下の原因にもなります。食事を摂らなければ体力低下につながるため、ゼリー食品など食べやすいものを選ぶようにしてください。
智歯周囲炎は強い痛みを引き起こすことも多いです。痛みに襲われて日常生活に支障があるときは、市販薬で応急的な対処をしてもいいでしょう。
市販薬としてはロキソニン®などの非ステロイド系消炎鎮痛剤、バファリンなどのアスピリン製剤などがおすすめです。
「痛み止め」や「鎮痛剤」を明記されているものでしたらたいていは効果がありますのでお手持ちの薬を使用してかまいません。
ただし、これらの痛み止めは智歯周囲炎の痛みを一時的におさえることはできますが、智歯周囲炎そのものを治す効果はありません。
市販薬での対処はあくまでも応急的なものと考え、痛みが続くときはできるだけ早めに歯科医院で治療を受けるようにしましょう。
智歯周囲炎は再発しやすい歯のトラブルです。一時的に腫れや痛みがひいても、原因が親知らずの生え方などにある場合は、問題が根本的に解決したわけではありません。また慢性的に再発を繰り返すようであれば、親知らず自体を抜くことも選択肢の一つです。再発の兆候が見えた段階で、早めに歯科を受診することをおすすめします。