記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/1/15 記事改定日: 2019/10/4
記事改定回数:2回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
原田病は両目に網膜剥離が現れる病気です。目の症状が強く出ますが、全身に症状が現れる自己免疫疾患になります。
再発が多いといわれていますが、完治する方法はあるのでしょうか。この記事では、原田病の治療方法と検査方法について解説しています。
原田病とはぶどう膜炎のひとつです。ぶどう膜とは、網脈膜、毛様体、虹彩の3つの器官から成りたち、眼球のほかの部分より血管が多いのが特徴です。
発症すると、急に網膜剥離が生じて見えにくくなるため、眼だけの病気と思われやすいですが、色素細胞がある脳や毛髪、内耳、皮膚など、全身に症状が現れます。
原田病は、眼に強い炎症症状が見られますが、全身の病気ですので全身の治療が必要になります。
治療ではステロイド剤を大量に全身投与していきますが、高血圧や血糖値上昇などの重い副作用を伴う可能性があるので入院が必要です。
ステロイド剤の投与は点滴からはじまり、次第に内服薬に切り替えていきます。ステロイドの治療は急にやめることができず、徐々に薬の量を減らしながら半年ほどかけて行います。
途中、炎症の再発や長期化が疑われた場合には1年以上投与を続ける必要が出てくる場合もあります。
原田病は、現段階では確実に再発を防ぐ治療法はありません。強い治療を行っても、2~3割の人は再発したり、長期化したりすることがあります。
原田病は発見・治療が遅れると炎症が慢性化して再発を繰り返すことがあります。その結果、徐々に視力が低下することもあります。
原田病の治療はステロイドの大量投与であり、症状が治まっていくにつれて少しずつ減量していきますが、減量中に再発した場合は再度大量投与が行われます。
このため、数年に渡ってステロイド投与を続けなければならないケースも多々あり、ステロイドによる様々な副作用に注意しながら治療を進めていくこととなります。
原田病と診断された人は、症状の進行をできるだけ抑えるためにも日常生活をコントロールする必要があります。
体調を崩したときに症状がとくに悪化しやすいので
ことなどを心がけて生活リズムを崩さないようにしましょう。
また、視力の悪化や目の霞みなどの症状がひどくなったときは軽く考えず、できるだけ早く病院を受診しましょう。
そして、原田病の治療で行われるステロイド療法は免疫力の低下、骨粗鬆症、抑うつ気分、肥満など様々な合併症を引き起こします。
治療を続けていくなかで思い当たる症状があるときは、早めに医師に相談しましょう。
原田病は目の症状が強く出るため目の病気と勘違いされがちですが、全身に症状が現れる自己免疫疾患です。
治療はステロイドの全身投与が基本であり、強い副作用のリスクがあるうえに再発したり長期化する可能性があります。医師の管理のもとしっかりと治療を続けていく必要があるので、家族などのサポートを得ながら根気よく治療を継続していきましょう。