ガラクトース血症とは ~ 症状・検査・治療 ~

2018/1/16

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

ガラクトース血症とは、血液中のガラクトースの量が増えてしまう病気です。生まれつきガラクトースを代謝する酵素に異常があることで発症します。この記事では、ガラクトース血症の症状や検査、治療について解説していきます。

ガラクトース血症とは

糖質は、グルコースに代表される単糖類が基本単位となり、それらが様々に組み合わさってできています。乳糖であるラクトースは哺乳類の乳汁に多く含まれる糖質です。乳糖は腸内でグルコースとガラクトースに分解されてから吸収されるため、乳児は体に大量のガラクトースが流入することになります。ガラクトース血症とは、ガラクトースの代謝に必要な酵素が先天的に活性低下してしまうことで、血中のガラクトース濃度が高くなる病気です。ガラクトース血症には、Ⅰ~Ⅲ型まであります。それぞれ症状や発生頻度が違います。

ガラクトース血症の症状

Ⅰ型は、常染色体性潜性遺伝疾患で、日本での発生頻度は90~100万人にひとりといわれています。新生児早期から、哺乳開始後に、不機嫌、食欲不振、下痢、嘔吐などの症状や体重増加不良の症状が現れます。低血糖や白内障、肝障害を起こし、感染症を併発することもあります。乳糖の除去をしなければ死に至ることもある危険な病気です。

Ⅱ型は、常染色体性潜性遺伝疾患で、日本の発生頻度は50〜100万人にひとりとされ、白内障が唯一の症状とされています。成長や発達には影響がありません。

Ⅲ型は、常染色体性潜性遺伝疾患で、日本の発生頻度は約10万人にひとり、酵素欠損が赤血球や白血球のみに影響する末梢型と、肝臓をふくむ他の組織に影響を及ぼす全身型の2種類に分けられます。全身型は非常に稀で、日本人の症例は報告されていません。

ガラクトース血症の検査

ガラクトース血症の検査方法は2つあります。ひとつは酵素法で、ろ紙血液中のガラクトースを定量し、その後ガラクトースを変換して総ガラクトースを定量します。そこから、ガラクトース-1-リン酸(GAl-1-P)の量を算出します。
ボイトラー法とは、Gal-1-Pウリジルトランスフェラーぜ活性を蛍光の有無で判定し、ガラクトース血症Ⅰ型を鑑別します。

ガラクトース血症の治療

門脈血流異常によるガラクトース高値のほとんどは、特に症状が出ることなく成長、発達も順調に進みます。軽度の場合、多くは無治療で経過観察をします。バイパス血流量が多く、血中ガラクトースの高い状態が続いている場合には、乳糖とガラクトースが除去された治療用のミルクを使用します。さらに異常血管が自然消失しない場合には、カテーテルや外科手術が必要になることもあります。

おわりに:ガラクトース血症は生まれつきガラクトースが代謝できない病気

ガラクトース血症は、先天的にガラクトースを代謝する酵素に問題が生じ、血液中のガラストースの量が過剰になってしまう病気です。ミルクから栄養を補っている赤ちゃんにとっては影響が大きく深刻な状態になることもありますが、必ずしも治療が必要とは限らず、経過観察になることも少なくありません。診断をもらっても過剰に不安にならずに、医師に相談しながら適切な治療を続けていきましょう。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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