記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/1/15
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
子供には、成長のスピードがはやい時期と遅い時期があり、成長がはやい時期を成長期と呼びます。この記事では、子供の身長の成長がはやい「成長期」について解説しています。低身長の目安についても解説しているので、子供の成長ペースに悩みがある人は参考にしてください。
平均身長は、30年前、55年前と比較すると各世代で増加していることがわかります。成長には個人差がありますが、低身長の目安は、「(身長-平均身長)÷標準偏差値」で割り出すことができます。95.5%の子供が、この計算で導き出された値が+2SD(SD:標準偏差のこと)~-2SDの幅とされています。標準下限(-2SD)より身長が低い場合には低身長を疑ってみる必要があるかもしれません。
生まれたばかりの新生児は50cmほどの身長ですが、1年後には70〜80cm、4歳になる頃には新生児期の2倍近くまで身長が伸びています。この時期を第一次成長期と呼びます。第一次成長期をすぎると成長のスピードはゆるやかになりますが、平均で5~6cmほど伸びるのが一般的です。
さらに急激に伸び出すのが第二次成長期といわれる思春期の時期で、運動神経や自律神経など神経系の器官も成長、発達します。第二次成長期は成長の最終段階であり、この時期をすぎると骨の成長が止まり、身長はほとんど伸びなくなります。ただし、成長期のはじまりや終わりには個人差があります。大人の体へ変化が見え始めたころが第二次成長期のスタートで、一般的には女子が先で早くて7歳7ヶ月ごろ、平均で10歳ごろからはじまります。男子は9歳から平均で11歳6ヶ月ごろからスタートします。
関節には骨端線と呼ばれる線があります。これは成長期の子供にしか確認できません。この部分にある組織は骨端軟骨と呼ばれる軟骨組織で形成されており、新しい骨をつくる骨芽細胞と、古い骨を分解して吸収する破骨細胞がさかんに働いている状態です。成長期には、この骨芽細胞の働きが活発になるため、栄養を取り込んで硬い骨に代わり、骨端線に沿って伸びていきます。成長期が終わりにちかづくことで軟骨層はすくなくなり、すべて硬い骨にかわると骨端線はほとんど見えなくなります。この段階で骨の伸びが止まり、身長も伸びなくなります。レントゲンで骨端線が確認できるかどうかが成長期を知るひとつの目安になっています。
子供が著しく成長する時期を成長期と呼び、第一次成長期と第二次成長期があります。成長期をすぎると身長はほとんど伸びなくなってしまいますが、この時期には個人差があります。不安がある場合は、医師に相談して正しい診断をもらうようにしましょう。