レーシックの手術を受ける前に、メリットとデメリットを理解しよう

2018/1/22

渡辺 先生

記事監修医師

東京都内大学病院眼科勤務医

渡辺 先生

レーシックは角膜をレーザーで調節することで視力を矯正する手術のことです。比較的安全性が高い手術とされていますが、デメリットがないわけではありません。この記事を読み、レーシックのメリットとデメリットを正しく理解しましょう。

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改めて、レーシックとは?

レーシックとは、エキシマレーザーを眼の角膜に照射して、屈折力を調整して視力を調整する手術です。手術時間は両眼で約10分と短く、痛みもなく視力を回復させる治療法です。

手術の手順は、次の通りです。

①まず洗顔と点眼麻酔を行います。
②「フラップ」と呼ばれるフタを、角膜にレーザーを照射して作成します。
③フラップをめくってから、レーザー照射を行い、角膜のカーブを調整します。尚、照射中に眼球を動かしてもコンピュータ制御によりレーザーの位置は正しく修正されます。
④数十秒の照射後にフラップを閉じ、眼を洗浄します。その後はフラップが自然に接着するのを待ちます。

レーシック治療が向いている人・向いていない人

レーシック治療に向く方、向かない方の特徴は次の通りです。

レーシックに向く方

・近視や乱視で日常生活に支障があり、メガネやコンタクト使用を避けたい方
・ドライアイや美容上の理由で、メガネやコンタクトの使用を避けた方
・職業上、メガネやコンタクトが不都合な方
・視力低下による慢性的な肩こりや眼精疲労を感じている方

レーシック治療に向かない方

・20歳未満で、視力が安定していない方
・妊娠、授乳中の方
・近視度数に対する角膜の薄い方、角膜形状不正の方
・目の疾患のある方(白内障、緑内障、網膜剥離、結膜炎など)
・内科的疾患のある方(糖尿病、肝炎、膠原病など)

気になる特徴のある方は必ず医師と相談しましょう。

レーシック治療を受けるメリットとは

レーシック治療のメリットは、主に次の通りとなっています。
まず、メガネやコンタクトレンズの煩わしさから解放され、裸眼で過ごせることです。特にドライアイやアレルギー性結膜炎でコンタクトを付けられない方や、左右の視力差があり眼鏡による矯正の困難な方、職業上必要な方にとって、メガネやコンタクトでなく裸眼で過ごせるのはメリットです。

レーシック治療によるデメリットとは

一方で、デメリットもあります。
ドライアイの発症、夜間の視力低下、過矯正や感染症などの合併症などです。ドライアイは大半の方が1週間~3か月ほどで回復するとされていますが、半年から1年と長引くケースも報告されているので留意しておきましょう。夜間視力の低下で夜間の光がにじんで見えること(ハロー・グレア)もありますが、通常は3ヵ月~半年で角膜の状態が安定して症状が軽くなります。
過矯正は、視力を高めすぎて近くを見る際に、眼の筋肉に負担をかけ眼精疲労になってしまいます。目標視力については、医師と相談のうえ決定することになるでしょう。
また、角膜の切り口から術後感染症を起こす恐れがあるため、水で眼を洗うことは医師の許可が出るまで避けましょう。

おわりに:レーシックについて正しい知識を持ち、正しい判断ができるようになろう!

年々浸透しつつあるレーシック治療ですが、そのメリットとデメリットを正しく理解しておくことが大切です。個人の状況や治療の向き不向きもあるため、適切な判断ができるようにしましょう。

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