記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/1/17
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
子供は大人に比べて免疫機能が十分に発達していないので、食中毒などになりやすいです。そのため、日頃から食事には注意する必要があります。この記事では、子供の食中毒を防ぐ方法について解説しています。どれも一般家庭でできることばかりなので、参考にしてください。
子供の身体は小さく、肝臓の解毒作用や抵抗力などもまだ発達途上です。よって、同じ量の病原体が体内に入れば、大人よりも食中毒の症状が深刻になりやすく、回復も遅れる傾向があります。そのため、子供の食中毒には細心の注意を払う必要があるといえるでしょう。特に夏季に、食中毒のリスクが高まりますが、寒い時期に流行するウイルスもあります。食中毒のリスクは一年を通じてなくなることはないことを理解しておくことが大切です。
レバ刺しやユッケ、鳥刺しなどの生肉を食べることは、食中毒の原因となる細菌やウイルスが付着したまま体内へ直接入ることになります。カンピロバクター食中毒やO157感染(腸管出血性大腸菌食中毒)などは、少量の病原体でも食中毒になりえます。新鮮であっても生の状態のまま食べるのであれば、リスクは下がりません。
たとえ飲食店のメニューとして出された生肉であっても、子供には食べさせないようにしましょう。抵抗力が低い子供にとっては、たとえ生食用の肉であっても100%の安全はありえません。
そして上記でも説明したように、子供が食中毒にかかると重症化しやすく、O157食中毒に感染した場合は生命の危険に陥りやすいといわれています。
食肉は必ず火を通すようにしましょう。肉の中心部が75度以上の状態が1分以上続けば原因微生物は死滅するといわれているので、肉は細かく切り分け、火が内部まで素早く通りやすくしてください。
また、大人が生肉を食べるにしても、焼肉や鍋物として火を通すにしても、いったん生肉を掴んだ箸を子供と共有することは避けましょう。口に持っていく箸を生肉に使わず、生肉専用の箸やトングを用意してください。
盛り付けの段階で生肉が野菜に触れていれば、その野菜も十分に加熱するようにしましょう。
食中毒を防ぐために、まずは賞味期限(消費期限)に余裕のある食材を選び、冷凍や冷蔵が必要な食材は、買い物かごの中に放置せず、氷などで冷やして持ち帰るようにします。
冷凍庫で保存する場合は、マイナス15度以下にしていれば食中毒の原因微生物の増殖が止まるといわれています。しかし、解凍して使う場合に室温で放置すると、原因微生物が増殖しやすくなるため危険です。電子レンジや流水を使ったり、冷蔵庫に入れ直すなどして増殖しにくい状態で解凍するように注意しましょう。
また、生の肉や魚などのたんぱく質食材を扱う前後は、石鹸やハンドソープで丁寧に手洗いするようにてください。
生肉を扱った包丁やまな板も、使用後には流水や台所洗剤を使ってよく洗い、必要に応じて熱湯や漂白剤で殺菌するようにしましょう。
食中毒は、病原体が活発に増殖する夏季に起こりやすいですが、冬でも油断してはなりません。また、子どもは食中毒に対する抵抗力が弱く、感染しやすいので、特に生肉や生に近い肉(レアステーキなど)を子どもに食べさせないようにしましょう。