主症状に歩行障害を含む、身体症状症はどんな病気?

2018/1/19

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

身体症状症とは、原因となる病気がないのに身体的な症状が現れることをいいます。痛みやしびれ以外にも様々な症状が起こりますが、身体症状症はなぜ発症するのでしょうか。身体症状症の原因と症状について解説していきます。

身体症状症とは?

身体症状症(しんたいしょうじょうしょう)とは、原因となる病気や明確な異常が見つからないのに、身体的に辛いさまざまな症状が出る病気です。
身体の各所への痛みやしびれ、けいれん、吐き気などの症状を引き起こします。
症状が現れる身体の部位は人によって異なり、しばしば症状が変化するのが特徴です。

日常生活に支障をきたすほどの身体的症状があるにもかかわらず、原因が見つからないため、症状が長引いて適切な医療機関の受診が遅れやすい傾向があります。
身体症状症の発症原因ははっきりとはわかっていませんが、身体に異常が無いのに症状が現れていることから、心身疲労や環境変化などによるストレスが原因と考えられています。

かつては「身体表現性障害」と呼ばれていましたが、近年では「身体症状症および関連症候群」と呼ばれています。

どんな症状が現われるの?

身体症状症および関連症候群の代表的な症状には、以下の「歩行障害を含む変換性・転換性障害」「身体症状症」「病気不安症」の3つがあります。

歩行障害を含む変換性・転換性障害

麻痺やしびれによる体の脱力や筋肉のつっぱり、皮膚の感覚異常や視覚、聴覚の異常を生じるものです。けいれんや意識障害を起こし、てんかん発作のような状態に陥ることもあります。
脱力、けいれんによって体の自由が利かなくなるため、歩行が困難になるケースも少なくありません。

身体症状症

代表的な症状は、身体各所の痛みや胃腸障害です。
特に痛みが強く出ているケースについては、従来は疼痛性障害と呼ばれていました。
また、上記のような症状が続いているにもかかわらず、検査をしても病気や薬による原因が特定できないという特徴があります。

病気不安症

「何か大きな病気にかかっているに違いない、かかりそうだ」という強迫観念が強くなることで発症します。
従来は心気症と呼ばれていた症状で、実際には身体的な病気にかかっていない、またはかかっていても軽度なのにも関わらず、思い込みから不安な気持ちが増大し、発症します。

身体症状症の治療法について

身体症状症の原因は、身体的なものではなく精神的なものが多いと考えられています。
このため、まず身体的には異常が無いことを患者本人が理解するのが、治療の第一歩です。
症状が軽度なら、症状を忘れた日常生活を行うことで改善する場合もあります。

また、症状が重い場合は抗うつ剤・抗不安薬などによる薬物療法、発症のきっかけを探ることで改善を目指す認知外行動療法や精神療法など、精神科的な治療がとられます。

おわりに:辛い症状が出る身体症状症。身体検査で異常が見つからないなら、精神科を受診してみよう!

痛みや体の麻痺・けいれんなど、辛い症状が続く身体症状症は、ときには歩行困難などの日常生活に支障が出るほどの身体的な症状が現れます。身体的に辛い症状が続いているのに原因がわからない場合は、身体症状症の疑いがあります。一度精神科を受診してみましょう。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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