強迫性人格障害になると仕事依存症になりやすい?!

2018/1/19

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

強迫性人格障害とは、ルールや決まりごとに固執するあまり、融通が利かなくなってしまうことです。周囲との人間関係に問題が起こしやすく、ルールにこだわるあまり、仕事や学業に支障をきたすこともあります。この記事では強迫性人格障害と仕事依存症との関連性について解説しています。

強迫性人格障害はどんな病気?

強迫性人格障害とは、世間一般のルール(道徳や法規範)や自分内部の決まり事に強くこだわり、柔軟性や融通に欠ける病気です。代表的な症状として、下記が挙げられます。

・臨機応変な行動ができずトラブルがおきやすい
・法律、道徳観念から少しでもはみ出すことが許せない
・すべてを1人で抱え込んで人に任せることができない。
・決まりからはみ出している人に対し、イライラしてストレスがたまる

これらの症状の結果、生活上の行動が非常に不自由となったり、作業がなかなか捗らない事態に陥ります。そもそも決まり事や順序は、物事を円満に運びやすくするための手段として定めるものですが、強迫性人格障害の場合、手段であるルールにこだわりすぎる結果、本来の目的が達成できず本末転倒の状態となります。

強迫性人格障害と仕事依存症にはどんな関連性があるの?

仕事依存症は、常に働いていないと不安で、「仕事をしなければならない」という強迫観念挙に囚われている場合を指します。具体的な症状としては、夜遅くまでの残業、家への仕事の持ち帰り、或いは仕事以外に楽しみがない、仕事を他の人に任せる事ができない、などが挙げられます。

強迫性人格障害の人は、人生や状況に対するコントロール欲求が強いため、仕事に対しても「完全主義」の傾向が強く、典型的な仕事依存症(仕事中毒)になることも少なくありません。ワーカホリックとは仕事に非常に熱心に取り組む状態ですが、強迫性人格障害を抱えていると、それほど重要でない細部まで完璧にこなそうとするため、必要以上に時間と労力をつぎ込んでしまいます。また、すべての作業に全力を注ぐため、優先順位をうまくつけられず、効率が非常に悪く、仕事時間の割にパフォーマンス力はあまり高くない傾向が見られます。

仕事依存症になることの問題点とは?

仕事依存症になると、同僚にライバル意識を燃やし、仕事に猛進するので視野が狭くなり、余裕を失い注意を欠いてミスが増えてしまいます。また部下や同僚に対して、自分と同じように仕事に励むよう、無言で求めるため、人間関係にもこじれが生じます。

また仕事依存症の人は、本人でも知らないうちに緊張状態が続くため、ふとしたきっかけでうつ病になる危険性があります。休養をとらない上に、要求された水準に到達しなければならないというプレッシャーで自分を追いつめ、肉体的にも精神面でも慢性疲労に陥りがちです。重すぎる責務を負わされたときの絶望感や、ひと仕事終えた後の虚無感がきっかけとなり、うつ病を発症することが少なくありません。

家庭においても、仕事第一でいつも不在が続き、家庭より仕事を優先するため、家族とのコミュニケーションが少なく、家族との不和や離婚など家庭崩壊につながるおそれを抱えています。

おわりに:仕事依存症の自覚がある人は、早めに専門家に相談しよう

完全主義を求める強迫性人格障害の人は、同じく仕事にも完璧を求める仕事依存症に陥ることが少なくありません。仕事依存症は、うつ病をはじめ多くの問題点を引き起こします。早い段階で受診し、自分を追いつめる前に治療を開始しましょう。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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