クラミジアと淋病への同時感染が原因の尿道炎について

2018/1/26

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

尿道炎は、尿道が細菌感染を起こして痛みや炎症を起こす病気です。この記事では、尿道炎の原因となる代表的な細菌や、複数の細菌に同時感染して発症することがあるのかについて解説します。

尿道炎の基礎知識

尿道炎は、尿道(尿が体外に出るときの通り道)に炎症が起こるものです。尿道の粘膜に、淋菌やクラミジアといった病原菌が感染すると発症します。性交渉やオーラルセックス、疲労などがきっかけになることが多いです。尿道炎に感染すると、男性の場合には排尿時の痛みや違和感、むずむず感、灼熱感を感じることがありますが、場合によっては全く自覚症状がない場合もあります。また、尿道から透明もしくは乳白色の分泌液が出ることもあります。淋菌感染の場合はクリーム色の膿が出ることが多く、クラミジア感染の時には透明の水っぽい粘液が出ます。透明で水っぽい粘液の場合、自分では気づきにくいため発見が遅れがちになることがよくあります。

尿道炎の約4割に上る、クラミジアと淋病のダブル感染

淋菌とクラミジアのどちらか一方に感染して尿道炎を発症しているからといって、もう一方の細菌に感染しないということはありません。別の原因体なので、両方共に感染してしまうこともあり得ます。実際、淋菌とクラミジアの両方に感染して尿道炎を発症している人は40%にものぼることがわかっており、珍しいことではありません。そして、このふたつの病原体は全く性質が異なるため、別々に治療を行う必要があります。

クラミジアと淋病・・・どちらを先に治療する?

淋菌とクラミジアの尿道炎を同時に発症していることがわかった場合、淋菌の治療を優先して行います。淋菌は繁殖スピードは速いのが特徴で、短時間で病状が進み重症化してしまうことがあるためです。また、淋病は症状がとても強く出ることがあるため、早く治療をして症状を和らげる必要があります。そして、淋菌は体内で耐性化するのが早いと言われており、クラミジアの治療を優先してしまうと淋菌の治療が難しくなってしまう恐れがあります。このため、淋菌の治療を先に行うことが一般的です。

同時感染は珍しくない! 尿道炎が疑われたら早めに病院で検査しよう

性感染症はいくつもの種類があり、同時に感染してしまうのは淋菌とクラミジアに限りません。他にHIVや梅毒などの感染症もあります。これらの感染症は全て異なる原因の病原体で感染するため、全ての感染症が同時に感染・発症するリスクがあります。最近は市販の性感染症検査キットがありますが、それで全ての性感染症を調べられるわけではありません。どの性感染症にかかっているかをしっかりと調べるためには、病院で検査を行うことが一番です。性感染症はたくさんの種類があるため、専門知識を持つ医師の診察を受けないと、可能性のある性感染症を特定するのは難しいです。尿道炎かもしれない、と感じる症状がある時は、病院を受診して検査を行いましょう。

おわりに:クラミジアと淋病が原因の尿道炎に、同時感染することも

尿道炎はクラミジアや淋病などが原因で発症しますが、いずれかひとつの細菌が原因で尿道炎になったからといって、別の最近で発症しない訳ではありません。複数の細菌に同時感染していることも十分考えられますので、気になる症状があるときは、早めに専門の病院で検査してもらってください。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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