周期性四肢麻痺は何が原因で発症するの?

2018/1/25 記事改定日: 2019/3/26
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

周期性四肢麻痺とは、四肢(腕と脚のこと)に全く力が入らなくなる筋肉弛緩性の麻痺が起こる病気です。この記事では、周期性四肢麻痺の原因や症状、治療についての基礎知識を解説していきます。

周期性四肢麻痺の原因って?

周期性四肢麻痺とは反復する発作性の病気で、四肢(しし:腕や脚のこと)弛緩性麻痺を示します。弛緩性麻痺とは、筋緊張の低下した麻痺のことです。
発作的に四肢の筋力が低下する症状が数時間から数日間続き自然に回復しますが、筋力低下を繰り返すこともあります。

発作時の血清カリウムの値から、高カリウム性周期性四肢麻痺と低カリウム性周期性四肢麻痺の2種類に分けられます。

原因

周期性四肢麻痺には遺伝が関与するものと関与しないものがあります。

遺伝が関与するものは、「遺伝性周期性四肢麻痺」と呼ばれ、難病にも指定されている病気です。筋肉内の電解質の出入りを司る「イオンチャンネル」の形成するための遺伝子に変異が生じることによって発症すると考えられており、原因となる遺伝子変異は優性遺伝することがわかっています。

一方、遺伝が関与しないタイプの周期性四肢麻痺の原因としては、高カリウム血症になりやすくなるアジソン病や腎不全などが挙げられ、低カリウム血症になりやすい甲状腺機能亢進症、頻回な嘔吐・下痢が挙げられます。
また、なかには薬物の副作用によって血中のカリウムが過剰になったり減少しして周期性四肢麻痺を引き起こすことも少なくありません。

バセドウ病が原因の周期性四肢麻痺

バセドウ病は、血中のカリウムが減少することによって周期性四肢麻痺を引き起こします。
男性に多く発症し、暴飲暴食や激しい運動後に見られることが多いとされています。

発症予防にはバセドウ病の治療を適切に行うことが大切であり、発症した場合にはカリウム製剤の投与が行われます。また、発作の予防薬としてはβブロッカーの一種であるプロプラノロール®が使用されることがあります。

周期性四肢麻痺の治療

軽い発作の場合は治療の必要はありませんが、重症の場合は、低カリウム血性では急性期に塩化カリウムを経口投与し、間欠期にはナトリウム、糖質の摂取を制限する必要があります。高カリウム血性のときは、発作時に糖質の投与をし、アセタゾラミド、高アルドステロン薬などが使われます。

おわりに:担当医と相談しながら、発作が起こらないように対策をとろう

周期性四肢麻痺は、根本的な治療法が確立されたわけではありません。そのため、発作のきっかけになる行動を避け、適切なタイミングで必要な治療を受けることが生活の質(QOL)向上につながります。担当医と相談しながら、発作を回避するための治療計画を立てましょう。

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