老化現象による男女別の体型の変化と予防法について

2018/2/2

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

年を取るにつれて、お腹のまわりに脂肪がつきやすくなったり、全体的にふっくらしてきた気がする・・・と思う方は意外と多いかもしれません。このような体型の変化はなぜ起こるのでしょうか。また、どうすれば予防できるのでしょうか。

男性・女性、それぞれに起きやすい体型の変化とは?

人間は年齢を重ねていくうちに、老化現象で体型が変化します。基礎代謝が低下していくため、男女とも体型が丸くなっていくことが特徴ですが、変化を細かく見ると男女で違いがみられます。
男性は女性よりも筋肉量が多く、年齢とともに筋肉が減っていくため、筋肉量の変化が中心となります。特に、腕と脚の筋肉量が著しく低下します。一方、女性は体全体に脂肪がついています。若い時には上半身には脂肪が少なく、お尻や太ももに脂肪がつきますが、年齢を重ねるにつれて上半身にも脂肪がつくようなり、体全体が丸くなります。
男女に共通する老化現象として、腹部の周辺に脂肪が集中する傾向があります。お腹まわりの皮下脂肪だけでなく、内臓脂肪も増加しやすくなります。

女性は“骨の老化”にも注意が必要

女性の場合、老化現象として脂肪がつきやすくなることだけでなく、骨の老化にも注意が必要です。女性は閉経後に急激な女性ホルモンの変化が起こるため、骨の密度が低くなって骨粗鬆症を起こしやすくなるからです(男性は女性ほどの変化がみられないため、加齢に伴ってゆるやかに骨密度が低下していきます)。骨が弱くなると、少しの衝撃で骨折をしやすくなります。また、骨折を起こして動けなくなると、さらに骨が弱くなるという悪循環に陥ってしまいます。ひどくなると、自分の体重を支えられなくなって、体に痛みが出るようになります。このため、特に女性は骨の健康を保つことにも気を配る必要があるのです。

老化によって体型が変化しやすくなるのは何故?

体は内臓を動かすだけでかなりのエネルギーを必要とするため、じっとしていてもエネルギーを消費しています(これを基礎代謝と言います)。基礎代謝は10代の後半にピークを迎え、そこから徐々に減少していきます。このため、若い頃と同じ食事をしていると、使われるエネルギーが減っていく分だけ体に脂肪がつきやすくなります。体が成長しきってしまうと、今度は維持をすることだけにエネルギーを使うため、必要なエネルギー量が少なくなります。また、細胞分裂が徐々に遅くなったり、基礎代謝量が高い筋肉量が減ってしまうことも原因のひとつです。このため、脂肪が体全体について丸い体型へと変化していくのです。

運動と食事管理で基礎代謝量の変化を少なくしよう

老化現象は誰にでも起こるものですが、健康を損なうようなことは避けたいものです。そのためには、基礎代謝量の変化をできるだけ少なくすることが効果的です。
基礎代謝に大きく関わっているのは筋肉の量です。筋肉量が多い体は、何もしなくても自然とエネルギーを消費して、脂肪の燃焼を促します。しかし、筋肉は意識をしていないと年齢と共に量が少なくなるため、積極的に運動して筋肉量をキープすることが大切です。
筋力を増やす運動は特別なものでなくても、日常生活の中でなるべく体を動かすようにするだけでも良い効果があります。普段から体を使うようにしつつ、栄養バランスのとれた食事を摂るようにすると、加齢による基礎代謝の変化を小さくすることができます。

おわりに:筋肉量を増やすことを意識して、老化による体型変化を遅らせよう

老化による体型の変化は、残念ながら避けられないものです。でも、運動を習慣づけて筋肉量を落とさないようにすることで、その変化をゆるやかにすることはできます。エレベーターではなく階段を使う、一駅分歩いてみるなど、できるところから体を動かすようにしてみてください。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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