記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/2/2 記事改定日: 2019/12/3
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
年をとるにつれて、お腹のまわりに脂肪がつきやすくなったり、全体的にふっくらしてきて老化を感じる、衰えを感じると悩む人は多いと思います。このような体型の変化はなぜ起こるのでしょうか。
この記事では老化による体型の変化の特徴と予防対策についてまとめています。
人間は年齢を重ねていくと、老化現象で体型が変化します。
これは基礎代謝が低下していくことが関係していて、男女ともに以下のような変化が起きることで、体つきが丸くなっていきます。
男女別での細かな違いは以下の通りです。
男性は女性よりも筋肉量が多く、年齢とともに筋肉が減っていくため、筋肉量の変化が中心となります。特に、腕と脚の筋肉量が著しく低下します。
女性は体全体に脂肪がついています。若い時には上半身には脂肪が少なく、お尻や太ももに脂肪がつきますが、年齢を重ねるにつれて上半身にも脂肪がつくようなり、体全体が丸くなります。
じっとしていても内臓などが働くことでエネルギーが消費されます。
このような「何もしていなくてもエネルギーを消費する」ことを基礎代謝と言います。
基礎代謝は10代の後半にピークを迎え、そこから徐々に減少していきます。
そのため、年を重ねて使われるエネルギーが減っているのに若い頃と同じ食事をしていると、体に脂肪がつきやすくなるのです。
なども脂肪が増えやすくなる原因になります。
年齢を重ねると筋力が落ちてお腹や二の腕などがたるみやすくなります。また、基礎代謝が落ちることで若いころと同じような食生活や運動習慣を続けていると体重が増えやすくなるものです。
このような加齢による生理的な変化は体型の崩れにつながります。
加齢による体型の変化を防ぐには、適度な運動をして筋力を維持して基礎代謝を上げることと、適正カロリーをコントロールすることが大切です。
筋力や基礎代謝を上げるための運動は、心臓や関節に過度な負担がかからないウォーキングや軽い水泳などの有酸素運動がおすすめです。
運動は長く続けることが大切なので、無理のない範囲から開始し、最終的には1週間に3日ほど、30分の有酸素運動を行うようにしましょう。
また、カロリーコントロールに関しては極端な食事制限は骨粗鬆症などの病気を引き起こすこともあります。バランスよくカロリーが低めな和食や野菜を多めに摂るよう心がけましょう。
女性の場合、老化現象として脂肪がつきやすくなることだけでなく、骨の老化にも注意が必要です。
これは、女性は閉経後に急激な女性ホルモンの変化が起こり、骨の密度が低くなって骨粗鬆症を起こしやすくなるからです
男性は女性ほどの変化がみられないため、加齢に伴ってゆるやかに骨密度が低下していきます。
骨が弱くなると、少しの衝撃で骨折をしやすくなり、骨折を起こして動けなくなるとさらに骨が弱くなるという悪循環に陥ってしまいます。
ひどくなると、自分の体重を支えられなくなって、体に痛みが出るようになります。
このため、女性は骨の健康を保つことにも気を配る必要があるのです。
老化による体型の変化は、残念ながら避けられないものです。でも、運動を習慣づけて筋肉量を落とさないようにすることで、その変化をゆるやかにすることはできます。エレベーターではなく階段を使う、一駅分歩いてみるなど、できるところから体を動かすようにしてみてください。