アルツハイマー病の予防には運動と充分な睡眠が効果的?!

2018/2/2

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

アルツハイマー病は認知症の一種で、発症すると記憶障害や判断力の低下などが起こります。この記事では、アルツハイマー病の予防につながる方法として、運動と睡眠をご紹介します。

アルツハイマー病はどんな病気?

アルツハイマー病は認知症の中のひとつで、認知症の人の半数以上がアルツハイマー病ともいわれる、最も多い進行性の脳疾患です。原因はまだわかっていませんが、症状が出現する10年以上も前から脳内では進行し始めていることがわかっています。特殊なタンパク質が原因で神経細胞の連結が消失し、この消失が記憶を司る海馬にも進行し、やがて脳が萎縮して記憶障害や判断力の低下等がおこります。
アルツハイマー病は症状の進行を抑えられることもありますが、現在のところ治療法は確立していません。言葉が出てこなくなったり、判断力が低下し始めるのが初期の症状で、進行すると迷子になったり人格が変わり始めたりします。更に進行すると、家族の顔が認識できなくなったり、身体機能が低下して一人で日常生活を営むことが難しくなります。

予防が大切だといわれるのはどうして?

アルツハイマー病の根本的な治療方法は確立されていません。このため現時点では、多少進行を遅らせたりすることはできたとしても、完治させることは残念ながらできません。ただ、発症が表面化するのに10年以上かかる事はわかっていて、アルツハイマー病を発症する前の、多少物忘れをするぐらいの状態(軽度認知障害)であれば症状を改善させることができると言われています。
神経細胞の連結が消失したり、脳が萎縮したりしてしまうと元には戻せず、最終的にはひとりで日常生活を送ることができなくなってしまうので家族や親戚などに大きな負担をかけることになってしまいます。このため、予防が重要なのです。

アルツハイマー病の予防に効果的な運動とは?

アルツハイマー病の予防には、日頃からの運動と睡眠が効果があるといわれています。
アルツハイマー病に効果的な運動は、ウォーキングやジョギング、サイクリングやエアロバイク等の有酸素運動をできるだけ毎日、30分程度続けることが大切です(毎日が難しい場合は、週に3~4日でも構いません)。すぐに効果は出ないかもしれませんが、半年から一年くらい続けると効果がみられます。
運動をしながら頭を使うと、更に効果的です。ウォーキングしながら簡単な計算すると、脳と身体の両方に効果があります。楽しみながら続けるために、気のおけない友達となぞなぞやしりとりをしながらウォーキングするのもお薦めです。計算は足し算よりも引き算のほうが刺激になるので、100から7を引き続けるといった簡単なものから始めて、少しずつ難易度を上げていきましょう。

アルツハイマー病と睡眠の関係性について

人間の脳は寝ている間にも一部活動していて、大切な栄養素を取り込んだり、不要な記憶の整理をしたり、老廃物を排出したりしています。アルツハイマー病の原因ともなると言われているβアミロイドも、もともとは脳脊髄液が巡回して回収し、排出しているのですが、睡眠不足になると巡回機能が低下するため、回収しきれず残ってしまうことがあります。この状態を繰り返すことも、βアミロイドが蓄積していく原因のひとつです。
高齢になると睡眠障害になる事も多いので、アルツハイマー病を発症したから睡眠障害が起こるのか、睡眠障害があるからアルツハイマー病になるのかはまだ解明されていません。
睡眠は、長時間ひたすら眠るというよりも、睡眠の質を高めることが大切です。また、30分以内の昼寝もアルツハイマー病の予防に効果的です。

おわりに:有酸素運動と、睡眠の質を高めることが予防につながる

アルツハイマー病は、ウォーキングなどの有酸素運動に毎日30分取り組んだり、睡眠の質を高める工夫をしたりすることで予防できるのではないかと言われています。また、運動中に計算したり、しりとりをしたりすることもよいと言われています。ぜひ、普段の生活に取り入れてみてください。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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