男性更年期障害の改善に効果的な食事療法について

2018/4/27

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

イライラや不眠、ほてりなどの不快な症状を引き起こす「男性更年期障害」。今回の記事ではこの男性更年期障害に効果的な食事療法について、漢方の観点からご紹介していきます。

男性更年期障害とは?

「更年期障害=40代後半頃の女性にみられる症状」というイメージがあるかもしれませんが、実は男性も、加齢による身体的な衰えやホルモンの低下、ストレスなどによって更年期障害を発症することがあります。

男性更年期障害の症状には、筋肉量が落ちて疲れやすくなる、夕方になると眠気が襲ってくる、些細なことでパニックになってしまう、といった症状があります。このような症状は、テストステロンという男性ホルモンの分泌量が減ることで引き起こされると考えられています。

また、集中力や記憶力が低下したり、何事もネガティブに考えてしまうといった症状もあります。テストステロン値の量が低いとうつ病になりやすいというデータもあり、不安感から不眠の症状が引き起こされることもあります。

そのほかに、男性更年期障害の症状には、性欲の減退や勃起不全(ED)といった性に関する症状もあります。これも、男性ホルモンの分泌量の減少が原因と考えられています。

漢方医学の視点で見た男性更年期障害

漢方医学では、男性は40歳頃から体力や気力、性機能などが低下していくと考えられています。それに伴い、体にさまざまな不調が現れるのが一般的です。40代後半になると排尿機能が衰え始め、50代後半ぐらいから老化が本格的に始まると言われています。

このような体の不調には、「腎(じん)」の衰えが大きく関わっています。「腎」は生命活動の源である「精」を蓄える臓器で、体のあらゆる生命活動に影響します。「腎」は一つの臓器を指すのではなく、泌尿生殖器系・ホルモン系・免疫系・代謝といったさまざまな働きのことを意味しています。つまり「腎」の力が弱まると他の臓器にも影響を与えるので、体に本来備わっている免疫力が低下したり、性機能が衰えたりします。

男性更年期障害の改善に効果的な食事療法を体質別に解説

漢方では、男性更年期障害を改善するには、自身の症状や体質に合わせ、食事から養生することが効果的と考えられています。タイプ別の食事療法については、以下の通りです。

「腎精不足」タイプ

男性更年期障害の多くは、この「腎精(じんせい)不足」タイプです。「腎」の機能が低下することで、性機能の低下、めまい、記憶力の低下、手足の冷えなどの症状が引き起こされます。

「腎精不足」タイプには、すっぽんや穴子、ニンニク、山芋、にら、ごまなどの摂取がおすすめです。また、規則正しい生活習慣に整えることも重要です。

「肝うつ」タイプ

「肝うつ」はストレスによって不調をきたすタイプで、イライラや憂うつ、肩こり、頭痛、ほてりなどが主症状です。漢方においてはストレスを調整するのは「肝(かん:肝臓のこと。新陳代謝や各器官の調節機能、胆汁の分泌などの機能を担うと考えられている)」の役割であり、そこが乱れることによってこれらの症状が出ると考えられます。

肝うつタイプには、ライチやジャスミン茶、黒きくらげ、柑橘類などの摂取が効果的とされています。また、上手にストレスを発散することも重要です。

「湿熱」タイプ

「湿熱(しつねつ)」タイプとは、暴飲暴食や運動不足によって肥満気味になり、体内に「湿熱(余分な汚れや水分)」が溜まった状態のことです。体重の増加や倦怠感などが主症状です。

「湿熱」タイプには、雑穀、小豆、ハトムギ、とうもろこしの髭茶・オオバコ茶などの摂取が効果的です。また、油っこい食事を控え、運動不足を解消することも重要です。

「気血不足」タイプ

「気(エネルギー)」や「血」は、「脾胃(ひい:脾臓と胃腸のこと)」が弱ることで不足すると考えられています。主症状は、疲労感、食欲不振、不眠、集中力低下、めまいなどです。

「気血不足」タイプには、小麦、うなぎ、卵、鮭、百合根などの摂取が効果的とされています。また、規則な食生活を心がけ、睡眠をたっぷりとることも大切です。

おわりに:男性更年期障害を改善するには、体質や症状に合ったケアをすることが大切

いかがでしょうか。男性更年期障害の辛い症状を緩和するには、ご自身の体質と症状に即したケアを行うことが大切です。ご自分のタイプを把握した上で、ご紹介した食事療法を早速取り入れてみてください。

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