男性更年期障害の主要な原因「テストステロン」の働きを知ろう

2018/1/30

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

更年期障害は一般に女性特有のものと考えられてきましたが、男性にも更年期障害が見られることがわかってきました。この記事では、男性更年期障害の原因や症状などについて解説します。

男性更年期障害(LOH症候群)について

更年期障害は女性特有の病気だと考えている人も多いかもしれませんが、男性にも更年期障害があります。代表的な症状として、身体症状(疲れが取れにくい、筋肉痛など)、精神症状(やる気が起きない、うつ状態)、性的な症状(性欲減退、EDなど)の3つがあります。
これらの症状は、加齢で男性ホルモンが減少することと密接に関連しています。中高年の男性は社会的に仕事のストレスを受けやすく、こうした体や心の症状は仕事のストレスが原因と片付けられてきました。しかし男性ホルモンが原因である場合も多く、このため、男性更年期障害を本人や周りが理解して適切な治療を受けることが大切なのです。

テストステロンにはどんな働きがあるの?

男性更年期障害の原因は、テストステロンと呼ばれる男性ホルモンの減少にあると考えられています。テストステロンは睾丸で作られるホルモンで、男性ホルモンの9割以上を占めています。男性の身体的特徴(ひげや体毛、筋肉)や性格(テストステロンの数値が高い男性は、冒険心が強かったり縄張り意識が強い傾向があります)だけでなく、空間認知能力の高さや、激辛の食べ物を好むといったことにも影響を与えています。

テストステロンの減少によって引き起こる、男性更年期障害の症状とは?

 

男性更年期障害の大まかな症状として、最近元気が出ない、集中力がない、やる気が出ない、イライラするといったものがあります。病気というより怠けて見えることも多いことから、周りに理解されにくいことが多いのが特徴です。
テストステロンが減少すると、性欲が減退したりED(勃起不全)が起きたりします。またテストステロンは、ホルモンとは関係なさそうな心筋梗塞・脳梗塞の発症リスクにも関係があります。テストステロンが減少すると、筋肉量を減らして内臓脂肪を増やしていきます。このため、メタボリックシンドロームや高血圧といった血管障害のリスクが増え、心筋梗塞などを起こしやすくするのです。

専門医による正しいテストステロン治療を受けよう

男性更年期障害は、治療すれば症状を改善できます。治療法としてホルモン補充療法がありますが、国内ではまだ浸透していません(日本では漢方などに頼ることが多く、ホルモン補充療法の普及率は数%しかありません)。
日本でホルモン補充療法を受けるには、専門医のいるクリニックへ行くことが必要です。テストステロンの経口薬は昔からありますが、中には毒性があるものもあります。正しい治療を受けるには、専門クリニックで安全性の高い製剤を処方してもらうことが重要です。専門医にみてもらうと、一人ひとりに合った製剤を処方してもらえるので、副作用の心配も少ないというのが最大のメリットです。

おわりに:テストステロンは、男性の身体や性格に作用する重要なホルモン

テストステロンはひげや筋肉といった身体的な特徴だけでなく、性格や味覚などにも影響を与える、男性にとっては重要なホルモンです。加齢によってこのホルモンが減少すると、更年期障害の症状があらわれます。最近気分がすぐれない、すぐにイライラしてしまうなど、気になる症状がみられたら、ストレスのせいと片付けずに専門医の診察を受けてみてください。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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