妊娠中の栄養失調は新生児の生活習慣病のリスクを高める?!

2018/7/25

前田 裕斗 先生

記事監修医師

国立成育医療研究センター フェロー

前田 裕斗 先生

新型栄養失調とは、食事量は十分に摂れているのに栄養失調になっていることです。これは食事の栄養バランスが著しく乱れていることから起こるものであり、女性や高齢者に多いといわれています。この記事では妊娠中の栄養失調と新生児の生活習慣病リスクについて解説しています。

現代の栄養失調「新型栄養失調」について

新型栄養失調とは、食生活の偏りによって健康な体を維持するのに必要な栄養が足りなくなり、栄養不良の状態に陥ってしまうことです。従来のように食事がとれないことによる栄養失調ではなく、食事内容や栄養バランスが極端に偏っているという部分で、通常の栄養失調とは区別されています。

近年、若い女性や高齢者を中心に増えているといわれており、発症すると筋力や免疫力が低下して衰弱し、代謝が落ちて痩せにくくなったり、体調を壊しやすくなるなどの症状が出ます。
発症が高齢者や若い女性に多い理由としては、食事内容が食べやすい炭水化物に偏ったりや栄養バランスを無視した自己流の食事制限(ダイエット食だけ食べるなど)を行う機会が多いということが挙げられるでしょう。

女性の新型栄養失調とそのリスクとは?

新型栄養失調の女性には、特に筋肉や臓器をつくるタンパク質、骨をつくるカルシウム、月経と妊娠に必要な鉄と葉酸が不足しているといわれています。

上記はいずれも、女性が妊娠可能な健康な体を維持するのに欠かせない栄養素です。
不足すると栄養状態が悪くなって貧血や低体温、代謝不全、筋肉の減少など健康上の問題を引き起こすだけでなく、女性機能へも影響を及ぼす可能性があります。

タンパク質の不足は貧血、カルシウム不足は骨粗鬆症、鉄や葉酸の不足は貧血や月経(生理)不順につながり、胎児の発育不足のリスクを高めるといわれています。

妊娠中の栄養不足は、新生児の生活習慣病の危険性を高めるって本当?!

痩せたいという強い気持ちから無理な食事制限をして新型栄養失調に陥った女性は、妊娠中も食事制限を続けて栄養不足の状態が続くことが多く、妊娠中の栄養不足は、生まれてくる赤ちゃんの健康状態に重大な影響を及ぼします。

例えば妊娠中から出産までに葉酸が不足すると、赤ちゃんの発育に影響が出て低体重児や先天性の奇形を引き起こすおそれがあることが指摘されています。
近年では、妊娠中の母体に栄養失調状態が続いた場合、生まれてくる赤ちゃんが将来的に生活習慣病(高血圧や糖尿病など)にかかるリスクが高くなる可能性があることが指摘されています。また、胎児の頃の栄養不足が、うつ病や統合失調症などの精神的な疾患の発症確率とも関係しているというデータもあります。

痩せたいと願うことは悪いことではありませんが、度が過ぎてしまうと健康を害してしまうことになりかねません。
やみくもに痩せようとするのではなく、将来の自分と自分の子供のことまで考えた「健康的な美しさ」を目指した食生活を心がけるようにしましょう。

おわりに:女性の新型栄養失調は、胎児の生活習慣病リスクにまで影響する。早めに食生活を見直そう

食生活と栄養バランスの偏りによる女性の新型委栄養失調は、妊娠と新生児の生活習慣病リスクにまで影響を及ぼします。自分の健康と子供の将来を守るためにも、早めに食生活とダイエット方法を見直し、健康的な体を手に入れてください。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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