赤ちゃんや子供に血便が見られたときの対処法を知ろう!

2018/1/30

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

血便は体に何らかの異常が起こっているサインです。基本的には病院での検査が推奨されますが、赤ちゃんや子供に血便がみられたときは、どのように対処すればいいのでしょうか。下記の記事で詳しく解説しています。

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赤ちゃんや子供の血便の原因とは?

赤ちゃんや子供の血便の原因として、子供の年齢によって以下のような可能性が考えられます。

新生児~乳児期までの血便の原因

  • ビタミンンK欠乏症による「新生児出血性素因(しんせいじしゅっけつせいそいん)」
  • 腸閉塞によって腸の壊死と出血を起こす「腸回転異常」
  • 胃液が食道に逆流して吐血を伴う「胃食道逆流」
  • 慢性的なアレルギー症状を伴う「ミルクアレルギー」
  • ぐったりして腹痛と嘔吐と伴う「腸重積(ちょうじゅうせき)」

乳児期~幼児期・年長児までの血便の原因

  • 食中毒による「出血性大腸炎」
  • ウイルス感染による「腸重積」
  • クローン病や潰瘍性大腸炎などの「炎症性腸疾患」
  • 関節痛や手足の内出血を伴う「血管性紫斑病(けっかんせいしはんびょう)」
  • 肛門に裂傷できる裂肛(切れ痔)
  • 大腸の粘膜に隆起した瘤(こぶ)ができる大腸ポリープ

血便の種類と違いについて

血便の色や種類にはそれぞれ特徴があり、状態からある程度の原因を予測することが可能です。以下に3通りの血便の状態と、そこから考えられることについて説明します。

便のところどころに鮮やかな赤い血がついている場合

便に目で見てわかる鮮血がついている場合は、肛門や肛門付近から出血している可能性が高いです。

便の周りの粘液が血液でピンク色になっている場合

このような便を粘血便と言い、腸の粘液に血が混ざっているときは、腸閉塞や食中毒によって大腸から出血している可能性が考えられます。

黒い血が便に混ざり、タール色になっている場合

赤い鮮血ではなく、黒くなった血が混ざってコーヒーやタールのような色の血便が出たときは、消化器官から幅広く出血を起こしている可能性があります。

いずれの場合も緊急性が高いと予測されますので、オムツを持参するなどしてできるだけ早急に医療機関を受診しましょう。

血便が見られたら、どう対処すればいいの?

赤ちゃんや子供に血便が見られたら、どのような状態であってもためらわずに病院を受診してください。

救急車や緊急病院を利用すべきかどうか迷った場合は、血便以外の子供の状態から判断しましょう。
腸が腸の中に入り込んでしまう腸重積や、ウイルスによる食中毒、腸が壊死を起こす腸回転異常症など特に緊急性の高い病気の場合は、血便以外にもさまざまな症状が出ます。

そして血便とあわせて、関節痛や激しい腹痛を訴えて唸っている、不機嫌、嘔吐、ぐったりしているなどの症状が出ている場合は、すぐに緊急病院を受診してください。もし、症状が血便のみで本人が元気なようであっても、念のため必ずかかりつけ医に診てもらうようにしてください。

おわりに:赤ちゃんや子供の血便には要注意!ためらわずに医療機関を受診しよう

赤ちゃんや子供に突然血便が出たら、何も知らない人は慌ててしまうことでしょう。正しい知識を持つことで、子供の状態や病状を冷静に判断できるようになり、落ち着いて行動することも可能になります。この記事で紹介した血便が出たときの対処法をきちんと理解し、もしものときに備えてください。

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