記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/3/1 記事改定日: 2019/6/27
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
室内の化学物質が原因で、頭痛やめまいなどの症状が引き起こされる「シックハウス症候群」。
新築の家に住んだばかりの人に起こりやすいとされていますが、このシックハウス症候群を防ぐにはどんな対策が有効なのでしょうか。
シックハウス症候群とは、揮発性有機化合物を発生させる建材・素材の使用が原因となって生じる健康障害の総称のことを言います。
新築・増改築を行った住宅などに居住することによって、目やのどの痛み、頭痛、目眩、息苦しさ、吐き気といった症状が起こることをいいますが、建材だけではなく、新しい家具、寝具、カーペット、カーテンの設置、衣類用防虫剤・殺虫剤の使用、害虫駆除の後に発症することもあります。
シックハウス症候群は、ホルムアルデヒドやトルエンに代表される揮発性有機化合物を多く含んだ建材、素材によって、室内の空気が汚染されることが主な発生要因と考えられています。
ただ、発症の因果関係も解明されているわけではないうえに症状だけでほかの病気と見分けにくい特徴があるため、治療が進まないこともあります。
シックハウス症候群の代表的な危険因子として、合板の接着剤や塗料、防腐剤に使われるホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、トルエン、キシレンなどが挙げられます。
その多くは揮発性物質で、揮発性物質は気温が高くなるにつれ発散量が急速に増加するという特徴があります。
また、現代では住宅の高気密化・高断熱化などが進んでいることから、上で挙げたような化学物質による室内の空気汚染が生じやすくなっているほか、室内の湿度が高い場合には細菌、カビ、ダニも繁殖しやすくなっており、これらが原因となってシックハウス症候群を発症する場合もあります。
さらにシックハウス症候群は、石油ストーブやガスストーブから出る一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物などの汚染物質が原因となる場合もあり、たばこの煙にも有害な化学物質が含まれています。
シックハウス症候群には様々な発症原因がありますが、どの原因にもいえることは「室内の空気をこまめに循環させること」が対処につながるということです。
室内に有害な化学物質やカビ、ダニなどの原因物質があり、住む人があまり換気を行わない場合、室内の空気が汚染された状態になってしまいます。
現代の住居は、気密性が非常に高くなっており、化学物質が蓄積しやすい環境にあります。こうした室内環境を変化させるためには、できるだけ窓開けを行って室内の空気が循環するようにすることが大切です。
家に帰宅した際には窓を開け、換気扇を回す習慣をつけるようにすると効率的に室内環境を変化させることができます。窓開けと換気扇を同時に併用すると素早く室内の空気を入れ替えることができます。
シックハウス症候群を予防するには、室内のこまめな換気を徹底することが大切ですが、その他にも次のような対策がおススメです。
シックハウス症候群は、化学物質やカビ、ダニなどが室内に留まり続けることで発症しやすくなると考えられています。日頃からこまめな換気を心がけ、未然の予防に努めましょう。