毛巣洞(もうそうどう)ってどんな病気?放置するとどうなる?

2018/2/6 記事改定日: 2019/9/11
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

毛巣洞(もうそうどう)とは、仙骨(肛門と尾骨の間にある部分)の毛穴に体毛が入り込んでしまい、しこりができたり、化膿したりする病気です。この記事では、毛巣洞を発症する原因とともに、治療法を解説します。

毛巣洞(もうそうどう)とは

毛巣洞(もうそうどう)は珍しい病気なので、聞いたことがない人が多いかもしれません。毛巣洞は、毛髪洞やジープ病とも呼ばれることがある病気で、仙骨(肛門と尾骨の間にある部分)の毛穴に体毛が入り込んでしまった結果、しこりができてしまう病気です。しこりの中は、髪の毛が入っているように見えるのが特徴です。毛巣洞は肛門の近くに出来ることもあり、痔と間違われてしまうこともあります。膿が出るようになると、座っているのが難しくなるほどの痛みが出ます。

毛巣洞は、一般に18~30歳の毛深い白人男性に発症することが多いと言われていますが、そのほかの人種でも発症することがあります。また、女性にはほとんどみられない、という特徴もあります。

毛巣洞には先天性・後天性がある

発症の原因はまだはっきりとわかっていませんが、先天性と後天性のものがあると言われています。

先天性の場合
体が作られる段階で皮膚と神経管との分離がうまくいかなかったことが考えられます。そのため、本来ならば外界の刺激から守るために生えている体毛が体内に生えてしまいます。
後天性の場合
ジープに長時間乗っている兵士に多く見られることから、仙骨部分に慢性的な刺激が加わったことで体毛が体内に入り込んでしまうと考えられています。

いずれにせよ、毛巣洞は体毛が多く、仙骨や尾骨部分を打撲したり、慢性的に刺激を受けている人に多くみられます。比較的肥満の人にも多くみられます。

毛巣洞を放置するとどうなる?

毛巣洞は予防が難しい病気で、気づかないうちに進行していることもあります。しかし、しこりや痛みなどの症状が出ているのに放置していると、お尻の広い範囲にわたって化膿が広がってしまい、膿皮症になってしまうこともあります。

膿皮症とは皮膚が化膿してしまう病気で、細菌感染が原因で起こります。お尻は座るときの刺激を受けやすい部位ですが、皮膚が薄いので、いったん炎症が起きるとなかなか治らず、再発を繰り返しやすいです。痛みがあるなど、いつもと違う感覚があれば、放置することなく病院を受診することが大切です。毛巣洞は、放置しても自然治癒しないからです。

化膿が軽度の内に治療しよう

毛巣洞は、単に腫れているだけであれば、抗生物質の服用だけで治すことができます。しかし、感染も起こしている場合は手術が必要です。赤く腫れている段階の場合、まず皮膚を切開して膿を出し、炎症が落ち着いたら外科手術を行って毛巣洞を取り除きます。化膿している部分全体を除去する必要があるので、手術は麻酔をしてからうつ伏せの状態で行います。通常、手術は1~2時間ほどで終わりますが、しばらくの間は座るなど、傷口の負担になる行動を控える必要があります。

おわりに:毛巣洞は自然治癒しない。早めに病院で治療を受けよう

  • 毛巣洞は、仙骨の毛穴に体毛が入り込んでしこりができる病気
  • 男性が発症することがほとんど
  • 毛巣洞は自然治癒しないため、治療が必要
  • 初期の段階で治療すれば、抗生物質の服用だけで済むことが多いが、化膿した場合は切開や手術が必要

座ったときにお尻が痛むなど、気になる症状がみられたら早めに病院へ行きましょう。

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