弱視の種類と視力改善のための訓練を解説

2018/8/15

渡辺 先生

記事監修医師

東京都内大学病院眼科勤務医

渡辺 先生

弱視とは、日常生活に支障をきたしてしまうほど著しく視力が低い状態のことをいいます。弱視は視力が成長する時期に適切な訓練(治療)を行う必要があります。この記事では、弱視の種類と訓練を始めるべきタイミングについて解説しています。

弱視の基礎知識

人間は生まれた時から大人と同じような視力を持っているわけではなく、最初はぼんやりと物が見えている程度です。そこから徐々に物がはっきりと見えるように視力が発達していき、見た物の映像が視神経を通して脳に伝わることを通して視力が成長していきます。

弱視になる原因は物をしっかりと見ることができない状態が続くことで視力の発達ができずに年齢を重ねてしまうためと考えられています。視力が成長する「決まった時期」があり、その時期に鮮明な映像を脳に伝える経験をしていないと、視力は発達しないままに成長が止まってしまい、そのまま視力が悪い弱視という状態になってしまいます。この時期を逃してしまうと、その後に治療を行っても視力の回復が難しい場合があります。

代表的な4つのタイプの弱視について

弱視には発生原因によって4種類に分けられます。
網膜に光を通らないことで起こる形態覚遮断弱視は、まぶたが下がっていたり黒目が濁っている病気が原因で発症します。
斜視弱視は、斜視などが原因で物を見る時に片方の目の視線が対象物に合わないことで、物をしっかりと見ることができずに起こるものです。
両目に強い遠視や乱視があるときには屈折異常弱視になりやすいといわれています。これは、網膜にピントが合わないことで視力の発達に支障をきたします。
右目と左目の屈折以上の程度に差がある時に起こるものが不同視弱視です。これは右目と左目に近視や遠視、乱視がある場合に起こります。屈折度数の大きいほうの目のピントが合いにくいため、弱視になりやすいといわれています。

弱視の治療はどのようなことをするの?

弱視治療の眼鏡をかけることで治療を進めていきます。眼鏡をかけて物を見るときの屈折度数を補正して、網膜の中心に焦点を合わせて鮮明な映像が結ばれるような状態にしてあげて、物を見たときに脳へ鮮明な映像の刺激を与えて視力の発達を促します。

子供は鼻が低いため、眼鏡をつけたときに位置が下にずれやすいです。弱視治療中は、眼鏡の位置がずれないように見守ってあげましょう。治療を嫌がる子供いますので、子供のストレスが大きくなりすぎないように工夫する必要があります。
眼鏡だけで治療の効果がみられないときは、よく見えているほうの目を隠して行う遮閉訓練を行います。これはアイパッチを使ったり、眼鏡の上から布製の遮蔽具で片方の目を多いながら訓練していきます。

おわりに:子供が6歳になるまでに治療を始めよう

弱視の症状には個人によって程度の差が大きく、同時に弱視の進行にも個人差が見られます。弱視の原因となっているものが遠視や乱視の屈折以上によるもので視力の発達が止まっている状態であれば、眼鏡を使って鮮明な映像を見る生活を続けることで視力の成長を促すことができ、視力を良くすることができる可能性があります。

しかし、大切なのは治療をする時期です。視力の発達は最大6歳頃には終了してしまい、その後に努力をしても視力の発達は難しくなることがわかっています。子供が弱視とわかったり、できるだけ早く治療を開始するようにしましょう。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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